世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2000/01年度の豪州飼料穀物生産は2年連続低水準の見込み


2000/01年度の飼料穀物生産量は対前年比1.1%増を予測

 豪州農業資源経済局(ABARE)の2001年2月の発表によると、2000/01年度の
豪州の飼料穀物(大麦、ソルガム、えん麦、ライコムギ、トウモロコシ)の生産
量は929万3千トン(前年比1.1%増)とわずかに前年を上回るものの、99/2000
年度(918万4千トン)に続いて1千万トンを下回る水準になると予測している。

 2000年11月〜01年1月頃に収穫の夏穀物の生産量は、ソルガムが142万3千トン
(同34.2%減)、トウモロコシが38万1千トン(同4.4%増)となった。ソルガム
の生産量が大幅に減少したのは、主産地のクインズランド州で、作付面積が減少
したことに加え高収量となった前年度と比較して単収が減少したためである。ま
た、2001年3〜5月頃に収穫期を迎える冬穀物は、大麦559万6千トン(同11.0%増)、
えん麦129万2千トン(同18.3%増)、ライコムギ60万1千トン(同15.4%増)とな
った。大麦の生産量が増加したのは、主産地である南オーストラリア州で作付面
積が増加したことに加え気象条件が良好であったためである。

 一方、今年2月に開催された農業・資源観測会議で、豪州における飼料穀物の
短中期的な生産予測が発表された。これによると、生産量は2002/03年度の906
万7千トンを底に回復基調となるものの、予測の対象となる2005/06年度まで9百
万トン台で推移し、2005/06年には945万4千トンになると見込まれている。

◇図:飼料作物生産等の推移◇


輸出の中心は大麦

 豪州の飼料作物輸出は、米国、EU、アルゼンチン、中国に次ぐ輸出量である。
2000/01年度の輸出量は465万5千トン(前年比14.8%増)で、同国の生産量の約
50%を占めている。作物別に見ると、大麦が360万トン(EUに次いで第2位)と最
大で生産量の64%、次いでソルガムが49万8千トン(米国に次いで第2位)で生産
量の35%を占めている。また、えん麦(14万9千トン)、トウモロコシ(3万9千
トン)の輸出量は、いずれも生産量の10%程度である。

飼料向けの国内消費は大麦、ソルガムが主体

 飼料向けとなる穀物の2000/01年度の国内消費量は430万7千トンで、2年連続
の減少が見込まれている。作物別に見ると、大麦が157万トン、えん麦が98万6千
トン、ソルガム92万2千トン、ライコムギ58万7千トン、トウモロコシ24万2千ト
ンとなっている。このほか、主に飼料向けに消費されているとみられる小麦は2
90万トンあり、この数量は近年増加傾向にある。

◇図:飼料穀物生産量の内訳(2000/01年度)◇

◇図:飼料向け穀物国内消費量の内訳(2000/01年度)◇

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