◇絵でみる需給動向◇
豪州農業資源経済局(ABARE)が今年9月に発表した四半期ごとの第1次産品の 需給見通しによると、2000/01年度の乳製品輸出量は、バターが12.1%増と前年 度を大きく上回り、脱脂粉乳も前年度比5.0%増と好調な予測となったものの、 全粉乳とチーズではそれぞれ前年度同と1.8%減と見込まれている。 前回調査(6月)では、2000/01年度の乳製品輸出量は、全粉乳が前年度比3.5 %減、その他の品目は前年度を上回る見通しとなっていた。しかし、今回の調査 では、前回は速報値として比較対象とされていた99/2000年度輸出量が上方修正 されたため、2000/01年度の輸出量の大幅増加を予測することとはならなかった。 ◇図:乳製品輸出量の推移◇ ◇図:乳製品輸出額の推移シック
ABAREによると、2000/01年度の乳製品輸出額は、前年度比6.5%増の25億 9,600万豪ドル(約1,540億円:1豪ドル=59.9円)と予測している。これは、今後 の乳製品国際価格が総じて高値傾向で推移するとの見込みによるものである。 輸出量では増加が予測されているバターは、国際価格は回復傾向にあるものの 依然として低い水準にあるため、輸出額は5.5%の減少が予測されている。一方、 輸出量で減少が見込まれているチーズの輸出額は、国際価格が引き続き高い水準 で推移するとの見通しから8.1%の増加と見込まれている。
ABAREによると、豪州国内の乳製品需要はわずかな増加が予測されているも のの、生乳生産の増加分はそれを充足して余りあるため、製造に向けられるとし ている。また、豪ドル安の為替相場の継続が予測されており、豪州産乳製品に大 きな競争力をもたらす要因となっているとしている。 このような状況の中で、輸出需要に対応した乳製品生産が可能となり、輸出数 量を押上げるとの見通しが立てられている。
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