NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○生乳生産の短中期見通し


2003/04年まで一貫した増産を予測

 ニュージーランド農林省(MAF)が発表した酪農産業の短中期的な需給見通し
によると、今後の生乳生産量は、2003/04年度(2003年6月〜2004年5月)まで
一貫して増大すると予測しており、海外市場からの需要に応えるための増産体
制が確立されるものと見ている。増加の要因としては、経産牛頭数の増加と1頭
当たりの乳量が増大することを挙げている。MAFでは、ニュージーランド・デイ
リーグループ(NZDG)による生乳処理施設の能力不足を原因とする南島への新
規参入者の規制が今年12月に解禁される可能性について触れ、これにより経産
牛頭数の増加率が高まると予測している。

◇図:生乳生産と最終乳価の見通し◇


2000/01年度の生乳増産は天候が懸念材料

 2000/01年度の生乳生産は、比較的冷涼な中で適度な降雨に恵まれて、好調な
出だしとなったことから、過去最高を記録するとの見通しが年度当初からされて
いた。しかし、搾乳シーズンに入り、主要酪農地帯では、降雨量が多くなってい
ることから、前年の同時期よりも1頭当たりの乳量が減少している。しかしなが
ら、MAFでは、2000/01年度の生乳生産量を、乳固形分換算で1,260万トンと前
年度に続き最高記録を更新すると予測しており、今後の生乳生産動向が注目され
る。


今年度をピークとするも乳価は高水準との見通し

 MAFは、生乳生産は増産が見込まれるものの、乳価については2000/01年度を
ピークとして2003/04年度まで低下傾向をたどると予測している。2000/01年度
の生産者への支払い乳価(最終乳価)は、乳固形分換算で前年度比9.3%増の
4.13豪ドル(約247.4円:1豪ドル=59.9円)/キログラムと過去最高額を見込ん
でいる。また、2003/04年度の最終乳価は、2000/01年度と比べて8%減の3.8豪
ドル(約227.7円)/キログラムと低落の予測がされているが、過去の実績と比
較すれば、依然として高い水準が見込まれている。   

 ニュージーランド・デイリーボード(NZDB)でも、同社がメーカーに支払う
乳価(基本乳価)が今後5年間は現在の水準以上になるとの予測を発表している。
このため、最終乳価もMAFで予測された以上の高水準となる可能性もあり、生産
者にとっては明るい見通しといえる。

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