ウルグアイで口蹄疫問題が発生


ブラジル国境で口蹄疫感染家畜を確認

 ウルグアイで10月23日、同国北部アルティガス県の牧場で口蹄疫感染の臨床学
的兆候を示す家畜が確認された。ウルグアイ農牧水産省は翌日、口蹄疫感染の有
無を確認するため、ブラジルにあるパンアメリカン口蹄疫センター(PANAFTOSA)
に検査を依頼したが、検査の結果、O型の口蹄疫ウイルスが検出された。同省は
26日、国際獣疫事務局(OIE)に対し、口蹄疫発生を通報した。ウルグアイは
96年、口蹄疫ワクチン不接種清浄国としての地位を得ており、同国における口蹄
疫の発生は90年6月以来となる。

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厳重な防疫措置を実施

 23日に発生した口蹄疫に対する防疫措置として、ウルグアイ農牧水産省は、
24日にウルグアイ全土を家畜衛生上の非常事態体制に置き、発生のあったアル
ティガス県においては家畜および畜産物の搬入出を禁止した。また、発生地域に
おいては、発生牧場を中心に半径5kmを管理区域、半径25kmを防御区域に指定し
厳重な監視を実施した。

 発生状況などについて、同省は、ブラジルとの国境に隣接するアルティガス県
アルティガス市近郊パラヘ・チフレロ地区の3牧場において、牛29頭、豚11頭に
口蹄疫感染が確認されたとし、3牧場の全家畜(432頭)の殺処分が25日に終了し
たと発表した。

 また、OIEが11月3日に受理した同省の通報内容によると、管理区域内における
口蹄疫に感受性のある全家畜の殺処分が同月1日に終了し、管理区域およびアル
ティガス市郊外で飼養されていた牛6,908頭、羊12,384頭、豚1,114頭の計20,406
頭が殺処分された。また、現行法令に基づき、殺処分された家畜価格の評価調査
が行われ、総額約200万ドル(約2億1,800万円:1ドル=109円)の補償額が算出さ
れた。


メス豚の汚染飼料摂取が感染源か

 感染源については、発生牧場で飼養していた雌豚による汚染飼料の摂取などが
疑われている。また、同省の幹部筋は、今回検出された口蹄疫ウイルスのタイプ
が、今年8月、発生地域と隣接するリオグランデドスル州(ブラジル)において
検出されたものと同じO型であることから、同州からウルグアイにウイルスが侵
入し口蹄疫が発生したとの見解を示したが、因果関係は明らかにされていない。


清浄国への復帰は早くとも発生から3ヵ月後の見込み

 なお、同省は、10月24日から牛肉などの輸出衛生証明書の発行を停止すると発
表したが、その後、同証明書の発行については、製品の種類、製造日、生産地と
アルティガス県との疫学的関係などを考慮しつつ、同証明書の要件、証明条項な
どの見直しを進めている。

 OIEは、96年にウルグアイを口蹄疫ワクチン不接種清浄国として認定したが、
今回の口蹄疫発生により同国の口蹄疫に関する衛生ステータスを一時的に留保す
る措置を決定した。なお、今回のOIEの措置が解除されるためには、少なくとも
最終発生から3ヵ月の期間が必要とされる。

南米における最近の口蹄疫問題の発生とその後の状況
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