2001年飼料輸入政策を発表(タイ)
トウモロコシはTQの数量・輸入期間とも従前の方針で
タイ政府はこのほど、2001年における飼料輸入政策を発表した。その内容は、
99年からとられている政策と同様の傾向が見られており、引き続き生産者保護色
の強いものとなっている。
トウモロコシについては、20%の税率によって輸入できる関税割当(TQ)数量
が、世界貿易機関(WTO)合意の水準である53,832トンのみとされている。これ
により、98年に国内生産が不足して約30万トンの無税輸入枠を設けた例を除けば、
引き続きWTO合意の水準のみの実施という方針が踏襲されたことになる。
輸入可能な期間についても、2000年同様、国内産トウモロコシの端境期である
3月1日から6月30日までの4ヵ月間のみとなっている。
なお、TQ枠外の輸入に関しては、WTO合意に基づき、関税が2000年の76.2%か
ら2001年は75.4%に引き下げられているものの、このほかに前年同の1トン当たり
180バーツ(約472円:1バーツ=2.62円)の輸入課徴金が徴収される。
大豆ミールは指定業者のみに割り当て
大豆ミールは、WTO加盟国からの輸入に関しては数量制限がなく、1年中輸入
することが可能となっている。ただし、2000年と同様、タイブロイラー加工輸出
協会など6団体を輸入業者に指定し、これらの業者には別途、政府の決定する価
格による国産大豆ミールの全量買い入れを義務付けている。これら指定輸入業者
が大豆ミールを輸入する際の関税率は、前年同の5%である。これ以外の者が輸
入する場合は、前年同の119%の関税率が適用される。
たんぱく質含量60%以上の魚粉は、大豆ミール同様に、輸入数量と輸入期間に
制限が設けられていない。また、関税率についても、前年同の15%に据え置かれ
ている。しかし、ASEAN自由貿易圏(AFTA)に基づき、東南アジア諸国からの
輸入に関しては、5%の低関税率が適用されている。
政府はトウモロコシの市場介入、今後も保護政策強化か
タイ国内ではこのところ、99年の豊作に伴う在庫の増加から、トウモロコシ価
格が低落傾向で推移している。農業協同組合省の公表している、水分含量14.5%
未満のトウモロコシの農家販売価格は、7月に1kg当たり3.89バーツ(約10.2円)、
8月に3.60バーツ(約9.4円)、9月最終週における速報値は3.48バーツ(約9.1円)
となっている。このため、政府は市場介入による価格支持に乗り出しており、目
標価格を農家販売価格で3.90バーツ(約10.2円)とし、2000年8月から2001年6月
までの期間に、50万トンのトウモロコシを買い上げることとしている。こうした
ことから、同国は、今後も国内の農業保護政策を強めていくものとみられており、
その動向が注目されている。
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