米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2000年度ブロイラー業界、増産続くも販売額は大幅減


わずかな伸びにとどまった生産量

 米農務省(USDA)は4月下旬、2000年度(99年12月〜2000年11月)における
ブロイラーの生産・販売動向を発表した。これによると、生産量(生体重量ベー
ス)は、前年度比1.7%増の1,883万トンと、依然として増加傾向が継続している。
今年度は、国内市況の低迷を受けて生産調整に踏み切った生産加工業者(インテ
グレーター)が多かったため、出荷羽数は前年度比1.4%増にとどまった。また、
1羽当たりと体重量についても、骨なしむね肉への需要増に対応したブロイラー
の大型化を背景にここ数年増加が続いていたが、その波も一服した。こうしたこ
とから、生産の伸びは、過去数年で最も低いものとなった。

◇図:ブロイラーの生産量と販売額の推移◇


2大生産州で前年割れ

 州別の生産動向を見ると、上位2州のジョージア州(シェア14.8%)およびア
ーカンソー州(同14.1%)について、ブロイラーの生産量は、わずかながら前年
度を下回った。これに対し、第3位以下のアラバマ、ノースカロライナ、ミシシ
ッピの各州については、生産量がいずれも前年度を上回った。なお、州別の順位
はここ数年ほぼ変わっておらず、「ブロイラーベルト」と呼ばれるこれらの南東
部5州で、全米シェアの6割が生産されている。


供給過剰で販売額は2年続きの減少

 一方、2000年度のブロイラー販売額(生体重量換算価額)は、前年度比7.8%
減の140億ドル(約1兆7,500億円:1ドル=125円)となった。これは、90年度
以降初めて前年割れとなった99年度をさらに下回る大幅な減少である。このよう
な販売額の不振は、輸出市場においては、香港やロシアなどの主要な輸出先から
の需要が極めて堅調に推移したものの、国内市場において、需要がおう盛であっ
た牛肉などとの競合の激化により需要が低調となり、価格が低迷したことによる。
このため、2000年度の平均販売単価(生体重量ベース)も、前年度比9.3%安の
33.6セント/ポンド(約93円/kg)と95年度に次ぐ低水準となった。インテグレ
ーターは、生産調整により供給を絞ったものの、伸び悩む需要に対応しきれず、
このような値崩れを防げなかったとみられる。

◇図:ブロイラーの平均販売単価の推移◇

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