ウルグアイにも発生、メルコスルに拡大する口蹄疫


ウルグアイで4月、乳牛に口蹄疫確認

 ウルグアイのソリアノ県の牧場で4月23日、乳牛に口蹄疫を疑う兆候が確認さ
れた。その後の調べで口蹄疫ウイルス(血清型A)によるものと判明した。当初
発生牧場を中心に殺処分や家畜移動禁止を措置したウルグアイ農牧水産省は、予
想以上のウイルス伝播の速さに4月26日、発生牧場を中心にワクチン接種を決定、
この報告を受けた国際獣疫事務局(OIE)は、同国の口蹄疫ワクチン不接種清浄
国の衛生ステータスを一時的に留保した。アルゼンチンで発生した口蹄疫がウル
グアイと国境を接するエントレリオス州に及び、厳重警戒態勢を敷いた矢先の出
来事だった。

 その後感染の勢いは弱まらず、5月3日、ウルグアイ政府は14県153牧場(件)
の発生を発表した。同政府はその後、病気が国の西半分に広がり、さらに北上し
ブラジルのワクチン接種清浄地域のリオグランデドスル州境界に達したので、緊
急かつ優先的にブラジルとの国境地域でのワクチン接種を決めた。その後、国内
すべての偶蹄類家畜に段階的にワクチン接種を施す計画のようである。


口蹄疫問題はさらにブラジルにも波及か

 ブラジルは隣国での口蹄疫発生で、国境地域の防疫対策を進めていたが、5月
の第1週末に、ウルグアイとの国境に近いリオグランデドスル州の牧場で口蹄疫
の擬似患畜が確認された。ワクチン接種を求める同州との議論の末、ブラジル農
務省はアルゼンチンとウルグアイの国境地域に限定してワクチン接種に踏み切っ
た。

 今年3月中旬、アルゼンチンが口蹄疫発生を確認してから、南米南部共同市場
(メルコスル)に口蹄疫禍が拡大した状況だが、アルゼンチンでも依然として口
蹄疫収束の見通しはない。OIEによると4月28日現在で、パンパ中心部のブエノ
スアイレス州ほか計7州で479件の発生へと膨れ上がっている。同国政府は、既
にパタゴニア地域以外の全牛群にワクチン接種を決め、今年7月までに1回目の
接種を終える計画だ。


メルコスル一体となった対策強化を確認

 今回のウルグアイでの口蹄疫発生は、輸出総額の2割強が食肉で占められる同
国経済に大きな打撃を与えるだろう。海外の食肉市場の閉鎖などで年間1億4千
万ドルの外貨収入の損失、37の食肉処理加工業者と6,500人の従業員への影響、
加えて年間3千万ドルのワクチン費や畜産業界全体への各種の補償負担などが報
道されている。同国のバジェ大統領は、世界銀行や国際通貨基金(IMF)融資も
念頭に入れ、包括的な緊急経済対策を打ち出す予定である。

 5月2、3日にブラジルのサンパウロで第8回西半球口蹄疫対策委員会が開催
され、パンアメリカン口蹄疫センターの情報収集と伝達機能の強化、地域ぐるみ
の口蹄疫対策の推進などが確認された。地域としての取り組みで一刻も早い口蹄
疫の収束を願いたい。

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