ボンラックがNZDBと業務提携へ(豪州)


ボンラックの組合員投票により決定

 豪州の2大組合系乳製品メーカーの1つであるボンラックは、4月23日に組合
員大会を開催し、組合員全体の75%以上の賛同を得て、ニュージーランド・デイ
リー・ボード(NZDB)と全面的に業務提携を行うことを決定した。NZDBは、業
績が悪化したボンラックに対して資金・技術・販売面で協力し、同社の経営再建
と積極的な事業拡大を進めることになる。

 今回決定された業務提携の具体的な内容は、@ボンラックが75%、NZDBが25
%を出資して豪州に新乳業メーカー(ボンラック・フーズ)を設立、ANZDBと
ボンラック・フーズが50%ずつ出資して豪州に消費者向け乳製品販売会社(コン
シューマー・コーポレーション)を設立、BNZDBが自組織の海外販売網を利用
してボンラックの乳製品を独占的に輸出、CNZDBとボンラックが双方の有名ブ
ランド(ベガ・チーズなど)を積極的に利用、DNZDBが豪州国内の原料乳製品
部門をボンラックに売却、などである。


オセアニア全体で進む乳業再編

 NZDBは、昨年早々、ボンラックにこの業務提携を申し入れ、12月には豪州消
費者競争委員会(ACCC)の承認も得て、後はボンラック組合員の承認を得るの
みとなっていた。これに対し、ボンラックと並んで豪州を代表する組合系乳製品
メーカーであるマレーゴールバンも、今年に入ってからボンラックの買収に乗り
出したが、最終的な条件が折り合わず、撤退を余儀なくされた。

 ボンラックとNZDBの業務提携は、単に両者の浮沈にとどまらず、オセアニア
の乳業界全体に多大な影響を及ぼすと注目されている。

 NZ乳業界による豪州進出は、既に着々と進みつつあり、NZ最大の組合系乳業
メーカーであるNZデイリーグループ(NZDG)はナショナルフーズ(豪州3大飲
用乳メーカーの1つ)の株式を約20%取得、2番手のキウイもピーター&ブラウ
ン(西オーストラリア州のアイスクリーム企業)の株式を50%以上取得して、と
もに経営に参加している。

 また、NZでは現在、NZDG、キウイ、NZDBの3者が合併して巨大な乳業メー
カー(仮称グローバルデイリーカンパニー:GDC)を設立する動きが具体化して
おり、これが実現すればNZ乳業界による豪州進出の動きが1本化されて、オセア
ニア全体で乳業界の再編が進む可能性が高まる。

 NZDBは、今後の業務提携によるボンラック乳製品の輸出拡大に大きな期待を
寄せている。特に中国に関しては、ボンラックが過去の投資を通じて強いつなが
りを有しており、将来の事業拡大が有望視されている。全世界に乳製品販売網を
築き、GDCの設立に伴う規制緩和(取扱い品目の拡大など)によって一段と業績
を上げる自信を示しているNZDBの今後の動向が注目される。

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