米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○消費者調査で鶏肉への好感度が明らかに


鶏肉に対する意識と消費実態を調査

 鶏肉加工業者などの業界団体である全国鶏肉協議会(National Chicken 
Council:NCC)は先ごろ、鶏肉に対する意識および消費実態の把握を目的とし
た消費者調査結果の概要を公表した。この調査は97年6月に続くもので、今回は
3月上旬、電話による聞き取りにより、全米各地の18才以上の男女1,008人(男
性485人、女性523人)を対象に実施されたものである。調査結果の概要は以下の
通りであった。


用途の広さに高い評価

 鶏肉に対する意識に関しては、牛肉や豚肉との対比で、@価格、A健康・栄養
面でのイメージ、B簡便性、C用途の広さ、Dおいしさ、E品質の斉一性の6項
目について調査された。この結果、鶏肉は、すべての項目で最も高いポイントを
獲得し、牛肉のCおよびDを除くと、各項目とも牛肉および豚肉を大きく引き離
して高い評価を得た。項目別では、Cについて86%の回答者が「そう思う」とし
ており、鶏肉の用途の広さが消費者に支持されていることが明らかになった。ま
た、@からDの項目については、すべての食肉において前回調査よりポイントが
上昇しており、NCCでは、食肉が日常の食生活に定着したことの表われと分析し
ている。前回調査よりポイントが低下したEについては、消費者が食品の安全性
を品質の一部と考えるようになり、品質に向けられる目も厳しくなったのではな
いかとコメントしている。

◇図:食肉に関する消費者意識◇


好感度を追い風に消費量の増加を予測

 一方、鶏肉の平均消費頻度は、家計消費と外食を併せて2週間で4.5回であった。
このうち、年齢25〜34才で、年間所得5万ドル(625万円:1ドル=125円)以上お
よび7万ドル(875万円)以上の層がいずれも5回を超えた。米農務省によると、
1人当たり鶏肉(ブロイラー)の消費量(小売重量ベース)は、ほぼ一貫して増
加してきたが、2000年については、好景気を反映した牛肉需要の盛り返しなどか
ら、34.9kgと前年並みにとどまっている。NCCでは、今回の調査結果から明らか
となったように消費者は鶏肉に対して良いイメージを抱いていること、また、供
給減に伴う価格の高騰から牛肉消費の減少が見込まれることなどから、鶏肉の消
費量は、新製品の開発などを通じた業界の努力によって、今後数年間は増加する
としている。

◇図:1人当たり食肉消費量の推移◇

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