◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁(ADC)によると、豪州のチーズ生産量(製品ベース)は99/2000 年度までの10年間で約2.1倍の37万7,915トンと大幅な伸びを示した。この増加を 品目別に見ると、最も増加したのがフレッシュタイプで約3.2倍の6万734トン、 次いでラウンドアイタイプが約3.1倍の2万558トン、シュレッドタイプが約2.7倍 の6万325トン、ハードグレーティングタイプが約2.2倍の1万3,465トン、最も低い 増加率となったのがチェダータイプで1.8倍の21万5,960トンとなった。 これに対して豪州国内でのチーズの品目別売上(製品ベース)は、ラウンドア イタイプを除いたすべての種類で増加となったものの生産量ほどの伸びは見せて おらず、全体で約1.4倍の21万2,153トンであった。 ◇図:チーズの種類別生産量の推移◇
このように生産量と豪州での消費量の差が拡大する中、チーズの輸出量(製品 ベース)は99/2000年度までの10年間で約3.5倍の22万1,896トンとなった。品目 別には、ラウンドアイタイプが約6.7倍の1万5,919トンと最も高い増加率となり、 フレッシュタイプも約5.9倍の3万5,298トンと大幅に増加している。また、チェダ ータイプも約3.7倍の10万6,073トン、ハードグレーティングタイプが約2.4倍の6, 271トン、プロセスタイプが約1.5倍の2万5,984トン、シュレッドタイプが約1.2倍 の3万1,914トンとすべての種類で増加となっている。 ラウンドアイ、チェダータイプで増加率が高い要因としては、プロセスチーズ の製造原料としての需要が強まったことが挙げられる。また、豪州にとって最大 のチーズ輸出市場である日本向けについては、近年、クリームチーズやモッツァ レラなどのフレッシュタイプやシュレッドタイプのような直接消費されるナチュ ラルチーズの輸出が多くなっている。 ◇図:チーズの種類別輸出量の推移◇
豪州農業資源経済局(ABARE)が今年3月に発表した四半期ごとの需給予測に よると、チーズの国際市場価格は、中期的に他の乳製品と比べて強含みで推移 することが予測されている。このため、チーズ生産は中期的には増加の予測と なっており、好調な海外市況を背景にチーズ生産に仕向けられる生乳の割合が 大きくなるとみている。また、ABAREでは、輸出のピークを2000/01年度と予 測しているものの、その後も中期的に高い水準を維持するとみている。
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