世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○米国、トウモロコシ在庫量は増加



9月1日現在の在庫量は前年同期比10.5%増

 米農務省(USDA)は、9月1日現在のトウモロコシ在庫量を発表した。これに
よると、在庫量は前年同期比10.5%増の4,823万トンとなった。近年の
在庫量の動向をみると、低水準であった96年(1,082万トン)を底に99
年まで3年連続して増加した。2000年はやや減少したが、2001年は大幅
に増加することとなった。この在庫量は、過去10年間で93年に次ぐ高い水準
となっている。内訳を見ると、農場在庫が5.0%減の1,913万トン、農場
外在庫が23.9%増の2,910万トンとなった。

 なお、この在庫量は、2000/01年度(9〜8月)の総消費量(国内消費
量+輸出量)の約20%に相当するとされている。

◇図:トウモロコシ在庫量の推移◇


在庫量増大の主な要因は生産増

 2000/01年度(9〜8月)の期首在庫は、前年同期比3.9%減の4,
363万トンであった。2000/01年度の生産量は前年度比5.7%増の2
億5千3百万トンと増加している。国内需要については、飼料用および食料・工
業用などが好調であったため、需要は前年度比3.5%増となった。一方、輸出
については減少となり、全体として、生産量の増加が主要因となり、在庫は約4
60万トン積み増しされる結果となった。


2001/02年度の生産量をわずかに下方修正

 USDAが9月14日に発表した需給予測によると、2001/02年度(9〜8
月)のトウモロコシ生産量は、前月の予測値を71万トン下方修正し、2億3千
5百万トンと見込まれている。これは、前年度の生産量(2億5千3百万トン)
を7.3%下回っている。

 なお、9月30日現在の主要18州の米国産トウモロコシの生育状況は、成熟
率が81%(前年同期は91%)、収穫率が20%(同36%)となり、前年を
下回るペースとなっている。


2001/02年度の在庫量は減少見込み

 世界のトウモロコシ在庫量の大部分は米国と中国が占めている。中国はWTO加
盟を前に積極的に減らす動きを見せている。国内価格が国際価格水準より高く、
輸出補助金付きの輸出を行っているためである。この中国の輸出増により、米国
のアジア市場でのシェアは減少するが、一方でカナダでの生産量の減少、カナダ
における需要増に対応した輸出の増加が見込まれるため、全体としての米国の輸
出量は増加するとみられている。

 2001/02年度の米国の生産量は前年度に比べ減少が見込まれることから、
2001/02年度の期末在庫量は3千5百万トンと最近4年間で最低の水準と
なるとみられる。

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