食品表示用語の明確化を推進(イギリス)
消費者の混乱を防ぐため、各用語の使用基準を助言
イギリス食品基準庁(FSA)は、先般、食品諮問委員会(FAC)による食品表
示用語の使用に関する報告書を公表した。2000年2月に公表された調査報告の補
完のために実施された本調査結果では、「フレッシュ」、「ピュア」、「ナチュ
ラル」などの用語に法的な定義がないため、これら用語の不適切な使用に対し、
消費者は混乱や本当の意味をつかみかねるなどの不満を持っていることが改めて
指摘された。FACは、食品業界で用語の不適正な使用があることを認めた上で、
各用語を使用する上での許容される範囲について勧告を行った。これを受け、F
SAでは今後、業界へ各用語の使用基準についての助言を行うため、同勧告に沿
った助言案を作成し、意見募集を開始した。
「ナチュラル」は何も加えない、「ピュア」は1つの原料のもの
FACの勧告に基づき作成したFSAの助言案(抜粋)は以下のとおりである。
Fresh(フレッシュ、生鮮)
・生肉については、調製肉と区別するための使用が許容できる
・冷凍(解凍)肉については、使用すべきでない
・「生鮮原料使用」の表現は、加工原料不使用を示す場合にのみ使用すべきであ
る
Natural(ナチュラル、自然)
・何も加えず、食用に適するような加工のみを行った、伝統的な特性を持つ食品
を示す場合などに限定して使用すべきである
Pure(ピュア、純粋)
・原料が1つだけであることを示すため、一般に次のいずれかに該当する場合に
のみ使用すべきである。
@何も加えていない
A偶発的な混入がない
B自然原料からの抽出物(蜂蜜、砂糖など)
・混合食料へは一般に使用すべきでない
「オリジナル」は起源が明確、「自家製」は工場産以外のもの
Traditional(トラディショナル、伝統的)
・長期間に渡り存続している調理法、基本的な製造法などを示すために使用すべ
きで、原料、製造法は同期間において、大きく変化していないことが条件とな
る
Original(オリジナル、起源、元祖)
・起源にさかのぼることができ、その後、変化していない製法に沿って作られた
食品、または、その製法を示すためにのみ使用すべきである
Authentic(本物)
・本用語および関連用語(real、genuineなど)は、次のいずれかの場合にのみ
使用すべきである
@製品の原産地名を強調する
A起源の特定できる調理法を強調する
B製品の特徴となっている原料の純粋性を強調する
Home‐made(自家製)
・消費者は、本用語から、食品が工場で作られたものではなく、家庭の台所で作
られたものと理解する。工場産の食品は、小さな台所などで作られたと誤解を
受けないようにすべきである
Farmhouse(農場産)
・本用語は、農場で作られた食品、または農場で作られたのと同様の品質を持つ
食品に使われる。そのどちらを意味するかを明確にして使用すべきである。
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