◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、牛肉の生産量(枝肉重量ベース)は200 1年10月以降、おおむね前年同月を上回って推移し、2002年1〜10月の累計 では、前年同月比4.7%増の1,035万5千トンとなった。2002年通年では、史上 初の1,200万トン台となった2000年の記録(1,214万トン)をさらに更新し、1, 229万トンに達するものと見込まれている。 ◇図:牛肉生産量および枝肉重量の推移◇
これは、と畜頭数と1頭当たり平均枝肉重量がいずれも増加したことに起因 している。平均枝肉重量は、8月以降、史上最高である352キログラムとなって いる。2002年平均(1〜10月)では前年同期比3.4%増の347キログラムとなっ た。この枝肉重量の増加は、2002年前半を中心に、肥育牛価格の低下と飼料価 格の低下によって、フィードロットでの飼育期間が長期化したことや、体重の 重い肥育素牛のフィードロットへの導入が進んだことによるところが大きい。 一方、同期のと畜頭数は、全体の5割を占める去勢牛が前年同期比4.1%増の 1,524万頭、乳用経産牛が前年同期並み、肉用経産牛が同比1.9%減の254万頭、 未経産牛が同1.2%減の962万頭となり、全体では同1.4%増の3,011万頭となっ た。干ばつの影響で、飼料穀物価格の値上がりや牧草の生育状況が悪化してい ることから、来年の春頃までと畜頭数の増加は続くものと見られている。 ◇図:種類別と畜頭数の増減率◇
しかし、この供給量増加は2003年第2四半期には減少に転じるものと見られ る。フィードロットでの飼養頭数は、2001年12月以降、おおむね前年同 月を下回っており、生産基盤は縮小傾向にあることから、USDAでは、今後の生 産量の見通しを2003年第2四半期は、前年同期比2.3%減、第3四半期を7.0%減、 通年では5.3%減としている。
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