世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2002/03年度の中国のトウモロコシ需給予測



● ● ● 生産量、前年度比9.6%の増加 ● ● ●

 米農務省(USDA)が10月に公表した予測によれば、2002/03年
度(10月〜翌年9月)における中国のトウモロコシ生産量は、北米などで干ば
つによる減産が予想される一方で、前年度を9.6%上回る1億2,500万トンと見
込まれている。増産の要因としては、最大の生産地域である東北地域において、
天候に恵まれたことなどが挙げられる。同地域の生産量は、前年度を15%程度
上回ることが予想されている。


● ● ● 消費量は1.6%の増加 ● ● ●

 トウモロコシ消費量は、国内の畜産業の拡大などに伴って、毎年増加して推
移しており、2002/03年度についても、前年度を1.6%上回る1億2,600万トン
と予測されている。なお、5年前との比較では、11.5%の増加となる。2002/0
3年度のトウモロコシの家畜用飼料向け消費量は、全体の8割弱に相当する9千8
百万トンで、前年度より100万トンの増加と予想されている。


● ● ● 輸出、輸入とも高い伸び ● ● ●

 トウモロコシの2002/03年度の輸出量は、前年度比11.8%増の950万トンと、
かなりの増加が予想されている。韓国をはじめとするアジア諸国等へ輸出され
ているものとみられているが、米国はこれらの市場におけるシェアの低下に強
い危機感を抱いている。USDAは、アジアの鍵となる3市場、韓国、マレーシア
およびインドネシアにおける米国のシェアについて、98/99年度には4分の3弱
であったものが、それ以降徐々に減少し、2002/03年度には4分の1弱にまで落
ち込み、中国が米国に取って代わると予想している。その理由として、USDAは、
中国産のトウモロコシは、米国産に比べて、品質の均一性等では劣るものの、
@これらの市場への近さから、輸送コストを抑えられることなどにより、低価
格での輸出ができること、Aユーザーのニーズに合わせて、より頻繁な輸出を
行う(ユーザーは保管料を減らすことが可能)といった対応が行われているこ
と等を挙げている。USDAは、中国政府の輸出に関する方針が変更されない限り、
中国は米国産トウモロコシにとって、アジア市場での成長の妨げとなり続ける
とみている。

 一方、輸入については、10万トンと見込まれており、昨年度が特に低い水準
に落ち込んでいたことから、前年度の2倍増と高い伸びを示すものと予想され
ている。

中国のトウモロコシ需給

資料:米農務省海外農業局(USDA/FAS)
01/02年度および02/03年度は予測値

元のページに戻る