◇絵でみる需給動向◇
ニュージランド(NZ)政府統計局の発表した貿易統計によると、2001 /02年度(2001年7月〜2002年6月)のチーズの輸出量は、前年度比8.5%増 の26万7,948トンとなった。チーズの輸出は、96/97年度以降安定的に推移し ている。また、輸出額(FOB価格ベース)は、同13.6%増の13億6,710万NZドル (約833億9,310万円:1NZドル=61円)となった。 ◇図:チーズの輸出量と輸出額(FOB価格ベース)の推移◇
2001/02年度のチーズ輸出先を国別に見ると、最大の輸出先となっているの が、輸出量全体の18.5%を占める日本である。輸出量は、前年度比0.4%減の4 万9,609トンとなったが、依然としてNZにとって最大の市場である。日本へは ほとんどの種類のチーズを輸出している。中でもチェダーチーズ、エグモント チーズの割合が高くなっている。また、フレッシュチーズにあっては、その輸 出量全体の43.8%が日本向けに輸出されており、日本での人気の高さが表れて いる。 日本に次ぐ輸出先は、全体の17.8%を占める米国であり、輸出量は前年度比 45.4%増の4万7,774トンと大幅に増加している。米国向けは加工原料向けを中 心とした輸出となっている。 主要な相手先の中で、大幅な伸びをみせているのが全体の5%を占めるメキ シコである。輸出量は前年度比69.6%増の1万3,506トンとなり、市場開拓の結 果と言えよう。 ◇図:国別チーズ輸出の割合(2001/02年度)◇ ◇図:チーズ輸出の種類別割合(2001/02年度)◇
2001/02年度におけるチーズの生産は、天候に恵まれたこと、乳用牛 の飼養頭数が増加したことに加え、チーズの国際市場での価格が堅調に推移し、 需要が強かったため増加した。2002/03年度以降の生産については、ニュージ ーランド農林省(MAF)が5月に発行した需給見通しによると、乳牛の飼養頭数 増加による生乳生産増などで乳製品の輸出量も増加すると見られている。しか し、好調だったチーズの国際市場価格も、2001年10月をピークに下落し始め、 9月には当時の約半額程度の価格で推移しているため、輸出額は減少するもの とみられている。今後の動向が注目される。
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