米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2001年のブロイラー生産量増加で価格は下降傾向に


生産量は引き続き増加傾向

 米農務省(USDA)によると、2001年第4四半期(10〜12月)のブロイ
ラー生産量(可食処理ベース)は、前年同期比3.7%増の35.9万トンとなっ
た。生産量は、第1四半期に前年同期を下回った以降は増加傾向を維持し、20
01年通年では、ふ化羽数、1羽当たりのと体重量の増加などから前回の見通し
を上回る前年比2.1%増の1,412万トンと見込まれている。

 主要生産地15州における12月の週ごとのひなふ化羽数をみると、平均して
1億4,200万羽となり、前年同期と比べ2.8%の増加となっている。この
時期に導入されたひなが処理されるのは1月下旬以降となること、ひなの導入羽
数の増加傾向は今後も維持するとみられることなどから、生産量は引き続き前年
の水準を上回って推移するものとみられ、2002年第1四半期は、前年同期比
3.9%増の291.4万トンとなると見込まれる。

◇図:ブロイラーひなふ化羽数(対前年増減率)◇


輸出は高水準を維持

 2001年(1月〜10月)の輸出量は、前年同期比11.1%増の232.9
万トンとなった。全体の約4割のシェアを持つロシアの前年同期比72%増の8
5万トンをはじめとして、メキシコ、日本向け輸出はいずれも前年同期を上回っ
た。一方、ロシアに次いで約2割のシェアを占める香港は前年同期を下回った。

◇図:ブロイラーの生産量および価格の推移◇

 今後の輸入国の経済状況やブラジルなどのブロイラー輸出国との競合にもよる
が、2002年の米国の輸出量は引き続き好調に推移し、通年で287万トン、
前年に比べ14.7%の増加が見込まれている。

 なお、12月7日付けの報道によると米国からキューバ向けに500トンのブ
ロイラー輸出が実施された。これは、1962年以降、経済制裁措置が継続して
いた中で初の輸出であり、関係者によると、輸出量は合計で6千トン、金額にし
て6.7百万ドル(約8億9千万円:1ドル=133円)と見込まれている。


価格は弱含み傾向に

 一方、卸売価格については、ロシア向けを中心とした好調な輸出需要により2
001年は一貫して前年水準を上回るなど堅調な動きを示してきた。しかし、生
産量の増加傾向もあり、8月時点でのむね肉(ボンレス、北東部)価格は、15
5セント/ポンド(454円/kg)であったものが、11月には120セント/
ポンド(352円/kg)と23%の低下となった。他の部位についても同様の傾
向を示し、主要な輸出品目であるもも肉は10%安、手羽は8%安と夏以降弱含
みとなっている。

 2001年通年のブロイラー卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、前年比
5.3%高の59.2セント/ポンド(174円/kg)と見込まれている。

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