◇絵でみる需給動向◇
豪州統計局(ABS)によると、2002年4月のと畜頭数は、前年同月比9.1%増 の64万7千頭となっている。例年であれば、4月は、需要の減少により3月より も減少する傾向にあったが、今年は、干ばつによる影響で肉牛の出荷が早まっ たことが4月に増加した大きな原因とみられる。昨年9月に日本で発生した、B SE(牛海綿状脳症)、国内での肉牛不足および米国向け輸出枠の到達を背景に、 2001/02年度(7月〜6月)のと畜頭数は、前年同月を下回って推移していたが、 2001年7月〜2002年4月のと畜頭数を見ると、前年同期比4%減とそれらによる 影響は予想より少なかったものと考えられる。 牛枝肉生産量については、と畜頭数の減少を受けて前年同月を下回って推移 していたが、4月の生産量は、前年同月比8%増の16万9千トンとなった。また、 2001年7月〜2002年4月の枝肉生産量は、前年同期比4.4%減にとどまっている。 ◇図:牛肉生産量とと畜頭数の推移(7月〜4月)◇
対日輸出価格については、豪ドル安の為替相場にもかかわらず、国内での肉 牛価格高騰が影響して、前年同月を上回る価格で推移していたが、干ばつによ り肉牛を早く市場に放出する傾向が見られと畜量が増えたこと、日本でのBSE 問題での需要減少および豪ドル高等の要因で下落傾向にある。2002年4月にお ける対日輸出価格は、前月比3%安の127.8米セント/ポンドとなっている。
牛肉の輸出量も同様で、2001年の当初は前年を上回る水準で推移していたが、 豪州の2大輸出市場である日本と米国向け輸出が減少したため10月以降減少し た。豪州家畜生産者事業団(MLA)によると、2002年4月の対日牛肉輸出量は1 万8,351トンで前年同月比38%減という水準だが、2月からのここ3ヶ月間は連 続して増加していて日本での需要も回復してきていると見ている。また、対米 輸出においても大幅に増加しており前年同月比24%増の3万6,847トンとなって いる。 ◇図:対日本、米国牛肉輸出量◇
元のページに戻る