EUの牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○減少傾向が続くイギリスのと畜頭数と牛肉生産量



●●●FMDの影響で減少する肉牛飼養頭数●●●

 イギリス家畜食肉委員会(MLC)によると、2001年12月時点のイギリスにおける
牛飼養頭数は、2001年2月に発生した口蹄疫の影響により、前年同期比6.6%減の
1,016万1千頭とかなりの減少を示した。96年以降、減少傾向の続く飼養頭数である
が、未経産牛の頭数は前年同期比1.1%増の69万1千頭と増加した。MLCでは、増加
の要因として、2002年に向けて未経産牛の保留が増えたことを挙げている。

◇牛飼養頭数の推移◇


●●●減少した2001年のと畜頭数●●●

 飼養頭数が減少したことを受け、食用向けのと畜が減少した2001年のイギリス
における牛肉生産量は、前年比7.9%減の65万2千トンとかなりの程度減少した。

 なお、牛海綿状脳症(BSE)対策の一環である牛肉廃棄のための30カ月齢を超え
る牛のと畜についても、口蹄疫の発生による一時停止の影響もあり、2001年は前
年比30%減となった。しかし、と畜を再開した2001年第4四半期については、前年
同期比13%減と減少率は低くなった。

◇3年間の牛肉生産量の推移(月別)◇


●●●2003年までは生産量は減少、消費量はやや上向き●●●

 MLCによると、2003年までの牛肉生産量は、減少傾向で推移するとみている。こ
の減少予測は、2002、03年ともにと畜頭数の減少が続くとみていること、成牛よ
りも子牛のと畜が進むことから1頭当たりの枝肉重量が減少することを要因として
いる。

 一方、2003年のイギリスにおける牛肉消費量は、2000年の水準には達しないも
のの、99年の消費量まで回復するとみている。この牛肉消費のうち約40%が輸入
品による供給となっており、これは2001年には口蹄疫の発生により制限されてい
た南米からの輸入が、今後は増加することを見込んでいるためである。また、EU
加盟国の介入在庫からの輸入も増加すると予測しており、中でも特にスペイン、
フランス、ドイツ、アイルランドなどから2002年後半には輸入されるとみている。





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