◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁(ADC)が先頃公表した年次報告によると、2000/01年度の酪農家戸 数は、前年比7.9%減の1万1,876戸とこれまでの減少傾向が続く結果となった。酪 農家戸数の減少は肉畜生産への経営転換や他産業への移行などによりすべての州 において、続いており、酪農乳業改革の影響を示すものとなっている。 一方、経産牛の飼養頭数は、228万頭と前年度比5.1%増と前回調査の増加率を 上回り、91年から続く増加傾向を維持した。州別に見ると、経産牛頭数が最も多 いVIC州で、前年度比4.8%増の144万3千頭であった。増加率が高かった州は、南 オーストラリア(SA)州の25.7%増であり、タスマニア(TA)州の15.1%増、西 オーストラリア(WA)州の10.8%増と続いている。 ◇図:州別酪農家戸数◇ ◇図:州別経産牛頭数◇
酪農家戸数と経産牛頭数から、2000/01年度の酪農家1戸当たりの平均飼養頭数 は前年度比14%増の192頭となり、83/84年度以降一貫して増加している。州別に みてもすべての州において増加しており、最も1戸当たりの飼養頭数が多い州は、 TA州の251頭、次いでSA州の225頭、ニューサウスウェールズ(NSW)州の218頭と なっている。 酪農家1戸当たりの経産牛飼養頭数増加の背景としては、海外市場からの需要が 強まる中で輸出競争力を維持するための低コスト生産が求められていることが考 えられる。豪州における生産コストは、競争相手国であるニュージーランド同様 低いものとなっている。この低コスト生産のための生産方法としては、家族経営 による労働コストの低減、飼養頭数の拡大、育種改良と併せた飼養方法の改善が 行われている。 また、1頭当たりの年間平均乳量は、推計値ではあるが前年度比7.4%減の4,624 リットルとなった。乳量は、気候的な要因が大きく関係しており、今回の減少は、 厳しい干ばつによる影響によるものであったと見られる。 ◇図:1戸当たりの平均飼養頭数と1頭当たりの平均乳量◇
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