◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド(NZ)における生産者乳価は、年度当初に暫定価格を設定し、 フォンテラの輸出収入と酪農協同組合の利益還元分を加えた代金により、年度終 了後に確定乳価を決定し、これにより精算している。この生産者への支払い乳価 (最終乳価)は、80年代は約2NZドル(乳固形分1キログラム当たりの単価)台で 推移し、80年代後半からおおむね3NZドル台を超えて推移していた。2000/01年度 には、5NZドルと前年度と比べて大幅に増加した。この背景には、好調な生乳生産 の下における乳製品生産量の増加の中で、アジアやヨーロッパなどを中心とした 海外需要の強まりと為替相場がNZドル安であったことがあった。
先頃フォンテラは、2001/02年度の最終乳価が前年度比6.4%高の5.33NZドル( 約324円)と過去最高になったと発表した。NZは生産した乳製品の大半を輸出に向 けているため、海外の乳製品需給の影響を大きく受けている。前年度に引続き生 乳生産は好調で、それに伴い乳製品生産量も増加する中で、為替相場のNZドル安 等も影響し、最終価格が高いものとなった。 ◇図:生産者乳価の推移◇
NZ産の主要乳製品の輸出価格は、2001年の前半には需要を反映して比較的高い 水準で推移していたが、10月からは前年同月を下回る水準で推移している。高水 準で推移してきた乳製品の国際市況は、需要の低迷、生乳生産の増加などにより、 低い水準となってきている。この乳製品の国際価格の動きと同調して、NZの乳製 品輸出価格も下降してきている。主要な乳製品の2002年4月の輸出価格(FOB)は、 チーズ前年同月比14.2%減の4,265NZドル/トン(259,525円)、バターは前年同月 比26.7%減の2,248NZドル/トン(136,791円)、脱脂粉乳にあっては、前年同月比 38.8%減の3,088NZドル/トン(187,904円)となっている。フォンテラは好成績で 終了した2001/02年度の最終乳価のような水準を維持することはできないとみてお り、2002/03年度の最終乳価を25%減少の4.00NZドルになると予想している。 ◇図:乳製品の輸出価格◇
元のページに戻る