◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2002年1〜4月の生乳生産量は、前年同期比2.5%増 の2,574万トンとなった。経産牛頭数は減少しているものの、飼料価格が低水準で 推移したことによって、1頭当たり乳量が増加したためとみられる。このため、生 乳の農家販売価格(グレードA(飲用規格乳)およびグレードB(加工用規格乳) 価格の加重平均)は、3月以降100ポンド当たり12ドル(約33円/kg:1ドル=124 円)台で前年同月を下回って推移している。
生乳の供給増に伴い、乳製品の生産も増加傾向で推移している。チーズについ ては、2001年10月以降増加に転じており、生乳生産量の増加分がチーズ生産に向 けられているとされている。 また、バターについても、2001年10月以降前年同月を上回って推移しており、1 〜4月の生産量は、前年同期比14.4%増の23万9千トンとなった。一方、需要は伸 びなかったことから、在庫の積み増しが進み、4月末のバターの民間在庫量は前年 同月比76.5%増の89万9千トンと、近年にない高水準に達した。このため、バター の卸売価格も低下が続き、5月は前年同月比43.4%安の105.9セント/ポンド(約2 90円/kg)となった。 ◇図:バターの民間在庫量◇
USDAでは、2002年通年の生産量については、経産牛頭数は引き続き減少傾向に あるものの、飼料価格が比較的安値で推移するとみられることから1頭当たり乳量 が引き続き増加するとして、前年比2.6%増の7,697万トンと見込んでいる。また、 生乳価格については、前年比13〜14%安の100ポンド当たり12.45〜12.95ドル(約 34〜35円/kg)と見込まれている。 なお、2003年には景気は上向き、乳製品需要を後押しすると予測されているが、 2002年の弱基調から完全には脱しきれず、バターの需要は2002年より伸びるもの の、98〜2001年のような好調さは見られないとしている。 ◇図:生乳生産量の推移◇
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