◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2002年第1四半期(2002年1〜3月)の豚肉輸出量 (枝肉重量ベース)は、前年同期比2.9%減の17万3千トンとなった。全輸出量 の約5割のシェアを占める日本向けについては、1月は前年同月を12.7%上回る 輸出が行われたものの、2、3月は2001年8月に発動された豚肉等に係る関税の 緊急措置が解除される4月を控え、輸出が手控えられたこともあり、第1四半期 の合計では、前年同期比0.4%減の8万7千トンとなった。また、ソーセージな ど加工向け需要が中心のロシア向けについては、前年同期に比べてほぼ半減の 3万9千トンとなった。一方、韓国は、EUが口蹄疫の発生により同国からの輸入 ができなくなったために、米国に供給先を求めたことから、前年同期比112.1 %増の5万1千トンと大幅に増加した。 ◇図:国別豚肉輸出量◇
一方、豚肉輸入(枝肉重量ベース)は、97年以降、増加傾向で推移してきた が、2001年はEUからの輸入が一時的に停止したこともあり、前年を下回った。 2002年第1四半期については、デンマークをはじめとするEU地域からの輸入は 減少したものの、最大の供給国であるカナダからの輸入が前年同期比11.2%増 の8万8千トンと堅調であったことから、10万7千トンと前年同期を3.9%上回っ た。カナダが、2001年には80.6%であったシェアを2002年第1四半期には82.3 %へ伸ばしたのに対し、デンマークのシェアは12.6%から11.8%へ減少してい る。 ◇図:国別豚肉輸入シェア◇
2002年通年での見通しについてUSDAは、輸出については、デンマークなどの 輸出再開で、前年比5%減の67万4千トンと91年以降継続してきた増加傾向から 12年ぶりに減少に転じると見込んでいる。一方、輸入については、カナダから の輸入が引き続き増加するとみられ、前年比1%増の43万5千トンと見込まれて いる。
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