◇絵でみる需給動向◇
豪州農林漁業省(AFFA)の統計資料によると、2001/02年度第3四 半期(1〜3月)の牛肉輸出量(船積ベース)は、前年同期比18.3%減の17万7,5 85トンとなった。月ごとの輸出量は、前年同月比で1月24.6%減、2月12.8%減、 3月19.2%減となった。 第3四半期の輸出量を輸出国別にみると、米国向けが前年同期比7.5%減の8万 4,165トン、カナダ向けが106.5%増の1万5,415トンとなっている。米国向けは、 2001年を通じて需要の強さや豪ドル安の為替相場を背景に好調さを保ち、豪州産 牛肉の関税割当枠をはじめて満たす状況となった。2002年は枠外税率の適用を回 避する動きから、前年同期を下回るスタートとなった。 米国に次ぐ輸出先である日本は、前年同期比54%減の3万6,709トンとなった。 9月に発生した牛海綿状脳症(BSE)による影響は2001年12月から影響が出始めて いる。日本の輸入も急に停止できなかったことによることが大きいと考えられる。 月ごとの輸出量は、前年同月比で、1月51.6%減、2月53.1%減、3月55.7%減と 減少率が大きくなっている。 その他の輸出先については、韓国が前年同期比43.4%増の1万5,415トンと前年 の水準を大きく上回った。 2001/02年度第3四半期の牛肉輸出は、カナダ、韓国が好調であったが、輸出 相手先上位の米国、日本向けへの輸出が不振となっており、全体で前年同期を下 回る結果となった。 ◇図:第3四半期の国別牛肉輸出量◇
このように牛肉の輸出量は減少しているが、輸出価格は、8月まで国内、海外 ともに需要が強く、これに加え供給がタイトなため記録的な高値を示し、依然と して前年同期の水準を上回っており、第3四半期の米国向け平均輸出価格は、前 年同期比19.5%増の419.6豪セント/kg(約306円:1豪ドル=73円)、日本向け 平均輸出価格は、前年同期比1.1%増の520豪セント/kg(約380円)となってい る。これは、依然豪ドル安の為替相場が背景にあると考えられる。 ◇図:牛肉輸出価格の推移◇
米国及び日本向け輸出が不振となり、それに伴いと畜頭数および牛肉生産量も 減少している。2002年2月のと畜頭数は前年同月比5.3%減の59万8千頭、枝肉生 産量は、5.2%減の15万8千トンと影響がでてきている。
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