世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○米国のトウモロコシ作付意向面積、前年実績をやや上回る



●●●2002年のトウモロコシの作付意向面積は4.3%増●●●

 米農務省(USDA)が3月28日に発表した作付意向調査によれば、200
2年におけるトウモロコシの作付意向面積は、3,199万ヘクタールで、前年実績
を4.3%上回ると予想されている。

 今回の調査では、全米のほとんどの州が前年実績を上回るとみられており、最
大の生産州であるアイオワ州は486万ヘクタール、これに次ぐイリノイ州は457万
ヘクタール、3位のネブラスカ州は340万ヘクタール、4位のミネソタ州は283万ヘ
クタール、5位のインディアナ州は243万ヘクタールといずれも前年実績を上回る
計画となっている。

 しかしながら、ペンシルベニア州、カンザス州およびコロラド州などの6州で
は、生産者が干ばつの影響を懸念して前年実績を下回る計画となっている。
 
全米および主要州におけるトウモロコシ作付面積

資料:USDA「Prospective Plantings」
注1:2002年は計画値
 2:シェアは、2001年の実績に基づく


●●●大豆の作付意向面積は前年より減少か●●●

 一方、大豆については、前年水準を1.5%下回る2,953万ヘクタールと予想されて
いる。前年を下回わる理由としては、輪作の影響および現段階において農業法が不
確定なことなどが挙げられる。

 主要な生産州であるイリノイ州、インディアナ州、アイオワ州およびミズーリ州
では、それぞれ8万ヘクタールの減少となっている。
 
◇図:米国のトウモロコシ、大豆作付面積の推移◇


●●●GM品種の選択は、トウモロコシ、大豆とも昨年を上回る見込み●●●

 また、今回の調査結果によれば、2002年の遺伝子組み換え(GM)品種の作付意向
面積の割合は、トウモロコシが前年実績の26%を6ポイント上回る全体の32%となっ
ている。その内訳は、害虫耐性品種(Btコーン)が22%で前年実績より4ポイント上
昇、除草剤耐性品種が8%で前年実績より1ポイント上昇、害虫・除草剤耐性品種が
2%で前年実績より1ポイント上昇した。

 大豆についても昨年実績より6ポイント上昇して全体の74%がGM大豆を選択すると
いう結果となっている。内訳について見ると、すべて除草剤耐性の品種であった。


●●●今後の作付けの進ちょく状況に注目●●●

 トウモロコシの作付けの進ちょく状況(4月7日現在)は、テキサス州で56%、ノ
ースカロライナ州で15%と南部州で進んでいるものの、主要生産地であるコーンベ
ルト地帯ではほとんど行われていない。今後は、今回発表された意向調査結果も反
映されて作付作物が選択されることとなるが、コーンベルト地帯の天候に加え、ト
ウモロコシか大豆か、また、GMか非GMか、最終的に生産者がどのような選択を下す
のか注目される。

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