◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド家畜改良公社(LIC)によると、2000/01年度末の 経産牛頭数は、348万6千頭と前年度を6.6%上回った。この増加率は、1992/93 年度に次ぐ増加率となっている。経産牛頭数は、70年代から80年代にかけてほぼ 横ばいで推移したが、90年に入り、国際的な乳製品需要の高まりを背景に増加に 転じ、一昨年度まで継続して増加を続けていた。昨年度は前年度比0.6%減とわ ずかに下回ったが、今年度は再び増加し、過去最高の頭数となった。また、1頭 当たりの乳量についても、品種改良などにより前年度比2.9%増の3,706リットル と高い水準のものとなった。 ◇図:経産牛頭数および1頭当たり乳量の推移◇
酪農家戸数については、80年代当初1万6千戸以上あった戸数が徐々に減少をし 始め、80年代後半から1万5千戸を下回る戸数となった。90年代に入ると大きな増 減はなく推移したが、1997/98年度以降再び減少し、2000/01年度末の農家戸数 は1万4千戸を下回ることとなった。一方、飼養規模においては、70年代から拡大 基調にある。特に1992/93年度以降は、約4%を超える勢いで拡大が進み、2000 /01年度末の経産牛頭数は前年度を6.4%上回り、70年代後半の約2倍近い1戸当 たり251頭となった。これは、乳製品の輸出環境が比較的良好であったこと、生 乳者乳価が刺激する水準で推移していたことなどを背景とした酪農家の規模拡大 に対する意欲の高まりうかがえる。 ◇図:酪農家戸数および1戸当たり経産牛飼養頭数の推移◇
このような規模拡大の傾向の中、2002年3月に、フォンテラと世界的な大手食 品メーカーのネスレSAとの南北アメリカ大陸における事業活動を目的とした合弁 企業の設立が決まった。国際市場でのますますの躍進が可能となったニュージー ランドの乳業界においては、規模拡大化の傾向が続きそうである。一方、土地の 制約や酪農への新規参入などを勘案すると今までのような急激な増加は見込めな いとの見方もされている。
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