米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○好調を維持した2001年の乳製品輸出


●●●輸出総額は過去最高を更新●●●

 米農務省(USDA)によると、2001年の乳製品輸出額は、前年比9.6%
増の10億6,600万ドル(約1千4,284億円:1ドル=134円)となった。これは、昨
年に続く過去最高であり、乳製品輸出奨励計画(DEIP)に基づく脱脂粉乳な
どの輸出やチーズなどの商業輸出が好調だったことが、輸出額の増加につながっ
たとみられる。品目別輸出額をみると、チーズが前年比14.7%増の1億6,200万ド
ル(約217億円)、脱脂粉乳は同38.7%増の1億8,953万ドル(約254億円)と大幅
に伸びたのに対し、昨年、首位に立ったホエイ製品は同7.4%減の1億4,430万ド
ル(約193億4千万円)であった。


●●●チーズと脱脂粉乳の輸出が増加●●●

 一方、2001年の主要乳製品の輸出量を品目別に見ると、チーズが前年比9.9%
増の5万2千トン、脱脂粉乳が前年比14.1%増の9万6千トンとそれぞれ増加が目立
った。チーズについては、全輸出量の約3割を占めるメキシコ向けが前年比63.4
%増の1万6千トンと大幅に増加したことから、全体として史上最高を記録した昨
年をさらに上回った。また、脱脂粉乳については、政府買上げの増加など国内需
給が緩和する状況の中、一時中断していたDEIPに基づく輸出が2000年12月から再
開されたことから前年を大きく上回ったものとみられる。これに対し、バター輸
出は、最大の輸出先であるメキシコで、健康志向や低価格から低所得者層を中心
にマーガリンへ需要がシフトしていることや米国内でチーズの需要が好調である
ため、輸出に仕向けられる量が限られたことなどから前年を大幅に下回る結果と
なった。
 
◇図:主要乳製品の輸出量◇
 
◇図:チーズの国別輸出シェア◇


●●●2002年の乳製品輸出額は前年水準並み●●●

 USDAによると、2002年の乳製品輸出額はおよそ11億ドル(約1千474億円)と見
込まれている。品目別でみると、チーズとホエイ製品が国内価格が低下傾向にあ
ることから引き続き増加し、脱脂粉乳はDEIPに基づく輸出を中心に2001年の水準
並みと予測されている。多くの輸出市場で国内経済の低迷から輸入が抑制される
とみられるものの、全体では2001年をやや上回るものと見込まれている。

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