米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○豚総飼養頭数は増加基調


●●●2002年3月の総飼養頭数は2.0%増●●●

 米農務省(USDA)が四半期ごとに発表する豚の飼養動向調査によると、2
002年第1四半期(3月1日現在)の豚の総飼養頭数は、前年同期(5,752万4千
頭)に比べ、2.0%増の5,869万8千頭となった。総飼養頭数は、98年秋の肥育豚
価格の暴落を契機におおむね減少傾向が続き、その後は小幅な増減を繰り返して
きたが、99年3月以来ほぼ3年ぶりに前年同期を上回る結果となった。

 区分別の飼養動向を見ると、繁殖豚(雄を含む。)が、ほぼ前年同水準の623
万6千頭、肥育豚が同2.6%増の5,264万1千頭となった。肥育豚の飼養頭数は高い
水準を維持しており、これを体重階層別に見ると、60ポンド(約27kg)未満が前
年に比べて3.4%の増加、また、60ポンド以上も同1〜3%の増加となっている。
このため、豚肉生産は今後数カ月、昨年以上の水準で推移するものとみられてい
る。

◇図:豚飼養頭数の推移◇

◇図:体重階層別肥育豚頭数◇


●●●10月以降価格は前年割れが続く●●●

 肥育豚価格は2001年10月以降、おおむね前年割れが続いており、2002年3月の
価格は、前年同月比22.5%安の100ポンド当たり37.5ドル(約111円/kg:1ドル
=134円)となった。これは、と畜頭数や1頭当たり枝肉重量が前年同期を上回っ
ていることなどによる供給増が要因とみられる。また、8月から関税の緊急措置
を発動している日本をはじめとしたアジア向け輸出の減少や同時多発テロ事件で
米国経済の減速に拍車がかかり、消費が低迷したことも価格低下の大きな要因と
なっている。


●●●需要減などでさらに価格下落の見込み●●●

 2001年の輸出は、EUからの輸出が口蹄疫の発生によって停止したことで過去最
高となったが、2002年は日本で昨年8月に発動された豚肉等に係る関税の緊急措
置が4月1日に解除されるものの、全体の輸出量は2001年並みの水準は期待できな
いとされている。また、国内での牛肉や鶏肉との競合もあり、需要は減少するも
のと見込まれる。さらに、米国の生体豚輸入の大半を占めるカナダでの1〜3月の
子豚生産が前年同期比8%増と報告されており、これらが米国に向けられること
で生産量も増加が見込まれることから、今後、価格は低下していくとみられる。
USDAでは、年間平均価格を42〜45ドル/100ポンド(約124〜133円/kg)と見込
んでいる。

豚の飼養動向(2002年3月1日現在)

資料:USDA/NASS「Hogs and Pigs」
注1:肥育用、繁殖用ともに雌雄の計
 2:前年比は、2002年3月1日現在/2001年3月1日現在の比、前回比は、
   2002年3月1日現在/2001年12月1日現在の比

元のページに戻る