米ウォルマート、女性をターゲットに牛肉の栄養的価値をPR ● 米 国


女性の健康に関するキャンペーンの一環

 先ごろ日本にも進出することを発表した世界最大の小売スーパー・チェーン、
米ウォルマートは、女性をターゲットにした健康に関するキャンペーンの一環と
して、牛肉の栄養的価値についてPRするパンフレットの配布を開始した。

 このキャンペーンは、非営利団体「女性の健康に関する発言(Speaking of 
Women's Health:SWH)」との提携により、全米の約2,800店舗において展開され
るものであり、店内の薬局のそばに設けられた常設コーナーでのパンフレットの
無料配布のほか、女性を対象にした健康チェックなどの各種イベントの実施も予
定されている。ウォルマートによれば、「女性はウォルマートの顧客の中で非常
に重要な位置を占めている。その女性が我々に求めているのは、毎日の生活の中
で活用できる情報の提供であり、SWHとの提携によってこれが可能になる」とし
ている。


肉牛生産者団体がパンフレットの作成に関与

 配布されているパンフレットは、「スキンケア」や「更年期」といった女性特
有のテーマから、「糖尿病」、「心臓病」、「睡眠」、「ストレス管理」などの
20種類以上の幅広い分野ごとに作成されており、それぞれについて、分かりやす
いアドバイスとともに、「健康のレシピ」として、摂取すべき食品や日頃から気
をつけるべき生活習慣のリストなどが掲載されている。

 その中の「生活のためのより良い栄養(Better Nutrition For Life)」とい
うタイトルのパンフレットには、栄養バランスの取れた食事を取ることの重要性
と、これを実現させるためのアドバイスが記されている。その記述は、SWHが、
10名の女性有識者から成る「女性の栄養問題解決のための協議会(Council for 
Women's Nutrition Solutions:CWNS)」の協力を仰いで作成したものである。
CWNSは、全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)が肉牛生産者からのチェックオフ
(販売1頭当たり1ドルの賦課金)を基に創設した組織である。


鉄分や亜鉛の不足には牛肉の摂取が効果的であるとPR

 具体的には、「赤身の牛肉(lean beef)、魚、鶏肉、乳製品、色とりどりの
野菜、葉の多い緑色野菜、全粒穀物のパンやシリアルなどの栄養に富んだ食品を
組み合わせて摂取することを心がけましょう」として、そのための8つのポイン
トをアドバイスしている。このうち、牛肉に関連しては、

・10代の女性の75%および20〜50代の女性は鉄分が不足しています。牛肉、豆類、
 ほうれん草、コラード(青菜の一種)の若葉といった天然の供給源から鉄分を
 摂取しましょう

・亜鉛は、免疫システムの維持のために欠かせない役割を果たしています。牛肉、

 とあるほか、ビタミンとミネラルに富んだ食品を組み合わせて摂ること、繊維
分の摂取を増やすことなどが挙げられている。

 また、「健康のレシピ」としては、牛肉とブロッコリーやピーマンなどの野菜
を炒めて御飯の上にかけた「アジア風牛肉野菜炒め」の調理方法が記載されてい
る。

 このパンフレットは、全米のウォルマート各店舗で合計約82万部が用意されて
おり、牛肉関係者もそのPR効果に大きな期待を寄せている。

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