◇絵でみる需給動向◇
EU委員会は2002年6月、EU15ヵ国における主要農畜産物の需給に関する中期見通 しを発表した。今号では、予測の前提条件と生乳生産の需給に関する見通しを紹 介し、主要乳製品の需給見通しについては、次号で取り上げる。
EU委員会による農畜産物の需給動向予測の前提条件は以下の@〜Aと表1のとお り。 @ すべての政策については、現行のEU規則および2002〜2009年にすでに実施が 決定されたものを適用する。また、アジェンダ2000に採用されたEUの共通農業 政策(CAP)の改革(本誌99年6月号特別レポート参照)については考慮に入れ るが、米国の新農業法については考慮に入れない。 A 市場アクセスや輸出補助金等のウルグアイラウンド(UR)農業交渉における すべての合意事項は、順守されると仮定する。また、UR農業合意は、2009年ま で継続すると仮定する。 B EUが後発開発途上国や10ヵ国の加盟国候補と締結した貿易協定については、 前提条件に含むものとする。
EUにおける生乳生産は、生産量、出荷量(クォータ制度等に使われる参考数量 )ともに、2004年まではほぼ横ばいで推移するものの、2005年以降については、 生乳クォータ枠の拡大が決定されていることから、それまでの水準をわずかに上 回って推移するとみられている。最終予測年である2009年には、生乳生産量は20 01年と比較すると0.5%増の1億2,190万トン、出荷量は同0.7%増の1億1,570万ト ンと、予測期間を通して大きな増減はみられない。乳用経産牛の飼養頭数は毎年、 前年を下回って推移すると予測されている一方、1頭当たりの乳量は毎年1.5%前 後の増加が予測され、その減少を補うとみられる。 EUの主要経済指標予測 生乳の需給見通し
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