NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2001/02年度生乳生産量、最高記録を更新



● ● ● 天候に恵まれ、前年度比5.5%増 ● ● ●

 ニュージーランド(NZ)の巨大乳業メーカーフォンテラによると、2001/02年
度(6月〜5月)の生乳生産量は、過去最高であった前年度をさらに5.5%上回る1
,299万1千キロリットルとなった。89/90年度以降、NZでの生乳生産は、乳製品の
国際市況がほぼ順調に推移してきたことから一貫して生産を拡大してきた。これ
に伴い生乳生産量は増加を続けていたが、98/99年度は、干ばつ等の悪天候に伴
う、牧草の生育状態の悪化で、経産牛1頭当たりの乳量が減少したことから、前年
度を下回ることとなった。それ以降は天候にも恵まれ、毎年前年度を上回って推
移している。

 2001/02年度におけるその他の増加要因としては、当該年度の前半までは、NZ
ドル安などにより、乳製品の輸出が好調で生産者乳価が上昇基調にあったことか
ら、乳用牛頭数が増加したことも挙げられる。

◇図:生乳生産量の推移◇


● ● ● 南島、飼養頭数増で生乳生産量が6年前の2倍以上 ● ● ●

 2001/02年度の生乳生産量(乳固形分換算、以下同じ)を地域別に見ると、NZ
での酪農生産の中心地である北島では、前年度比3.6%増の83万9千トンとなり、
NZ生乳生産量全体の75.8%を占めた。また、北島の生産量の56.4%を占めた南オ
ークランド地区、同32.7%を占めたタラナキ・ウェリントン地区でそれぞれ前年
度比3.4%増、6.7%増となった。

 乳用牛頭数の増産傾向が著しい南島では、同じく乳固形分換算で前年度比13.2
%増の26万8千トンと大きく増加した。南島ではここ6年間で2倍以上の生産量とな
り、シェアについても8.5ポイント増の15.7%から24.2%にまで増加した。

◇図:地域別年度別生乳生産量(乳固形分換算ベース)◇


● ● ● 2002/03年度の生産者乳価は下落の見込み ● ● ●

 2001/02年度前半は輸出価格が好調であったことなどにより、フォンテラの最
終生産者乳価は過去最高の5.33NZドル(約325円:1NZドル=61円;乳固形分1キロ
グラム当たりの単価)となった。しかし、フォンテラでは、2002/03年度は、乳
用牛の増頭が続き生乳生産量も増加するものの、乳製品の国際価格の値下がりや
為替の変動により、生産者乳価は3.70NZドル(約226円)に低下するとみている。




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