◇絵でみる需給動向◇
豪州フィードロット協会(ALFA)は2月4日、豪州食肉家畜生産者事業団(ML A)との共同調査による四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査の結果 を発表した。これによると、総飼養頭数は2002年12月末時点で70万6千頭とな り、前回調査の9月末と比べ8%増加した。 フィードロット飼養頭数を州別に9月末と比較してみると、すべての州で増 加した。総飼養頭数で全国の約5割を占めるクインズランド(QLD)州、同じく 約4割を占めるニューサウスウエールズ(NSW)州では、それぞれ4%増加した。 また、ビクトリア(VIC)州や西オーストラリア(WA)州では、それぞれ133% 増、19%増と大幅に増加した。 州別飼養頭数内訳 仕向け先別飼養頭数内訳
ALFAは、フィードロットの総飼養頭数の増加要因について、干ばつの影響に よる11月と12月の牧草不足の拡大から大量の国内市場向けの肉用牛がフィード ロットに導入されたことによるとしており、干ばつが終息すれば現在フィード ロットで大量に飼育されている未経産牛は再び放牧されるとみている。 フィードロットの収容能力に対する利用率は、全体で77%と前回調査からは 1ポイントのみの増加にとどまっているが、これは、収容能力が全体で6%増加 したことによる。 一方、仕向け先の内訳をみると、輸出向けが41万4千頭と全体の59%、国内 向けが27万頭で同38%となった。9月末と比較すると、輸出向けは17%の増加、 国内向け数量は2%の増加となっている。輸出向け数量が増加した要因は、需 要の回復により日本向けが14%増加したことや韓国向けが29%増加したことな どである。また、干ばつの影響から、前回調査と同様に、仕向け先が不明の 「その他」向けが依然として多い。
ALFAでは、今後のフィードロット産業の見通しについて、「輸出が回復し、 国内需要も好調な反面、干ばつの影響が深刻なことから、フィードロット産業 は、@飼料不足、穀物価格の高騰、水不足、A肥育素牛供給の縮小、BAを要 因とした肥育素牛価格の高騰などの多くの不安定要素をかかえており、2003年 はフィードロット産業にとって試される年になるだろう。」と、総括している。
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