◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2002年の牛肉輸出量(枝肉重量ベース)は、前 年比7.8%増の111万トンと史上最高を記録した2000年に次ぐ水準となった。 国別に見ると、日本は、景気の低迷に加え、牛海綿状脳症(BSE)の発生に よる消費者の牛肉離れで需要が大きく低迷したことから、前年比23.2%減の35 万トンと94年以来の30万トン台となり、主要輸出相手国の中で唯一前年を下回 った。日本は引き続き、最大の輸出先であったが、シェアは31.5%と前年の44 .2%から12.7ポイント低下した。第2位のメキシコ(シェア25.7%)は国内の 需要増などから前年比18.2%増の28万5千トン、第3位の韓国(シェア24.4%) は同72.9%増の27万1千トン、第4位のカナダ(シェア9.8%)は同3.1%増の10 万9千トンとなった。 ◇図:牛肉の輸出量◇
一方、2002年の牛肉輸入量は、国内の強い需要などから、過去最高の水準を 記録した前年をさらに上回り、前年比1.7%増の146万トンとなった。 国別に見ると、総輸入量の35.3%のシェアを占める豪州および同18.8%のニ ュージーランドは、それぞれ前年比1.3%減の51万6千トン、同5.2%減の27万4 千トンといずれも前年を下回った。豪州、ニュージーランドともに、為替レー ト(豪ドル安、NZドル安)による価格競争力の低下から数量を減らしたと見ら れる。シェア2位(33.9%)のカナダは、前年比10.5%増の49万5千トンとなっ た。アルゼンチンおよびウルグアイでは口蹄疫の発生による輸入停止から、ア ルゼンチンが前年比14.4%減の3万9千トン、ウルグアイが同65.7%減の6千ト ンと前年を大幅に下回った。 ◇図:国別牛肉輸入シェア◇
2003年の見通しについて、USDAでは、輸出は、カナダや韓国向けの堅調な需 要が見込まれることから、前年比4.8%増の116万4千トンと引き続き百万トン 台を維持するとしている。一方、輸入についても、堅調な国内需要が見込まれ ることから、前年比2.7%増の149万9千トンとしており、輸出、輸入ともに過 去最高の水準が予測されている。
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