特別レポート
ブラッセル事務所 関 将弘、山田 理
2002年12月にデンマークのコペンハーゲンで開催された欧州連合(EU)首脳 会議(コペンハーゲン・サミット)において、EUの現在の加盟各国と加盟候補 国10カ国の首脳は、EUの拡大について合意に達した。このことにより、キプロ ス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポー ランド、スロバキアおよびスロベニアの10カ国が2004年5月1日にEUに加盟する ことが決定した。EUの今回の拡大は、一斉に加盟する国の数、地理的広がり、 さらに、多くの旧共産主義国を含むものであることなど、これまでの拡大に比 べてその規模や、歴史的意義などが大きいものである。今回の拡大により、加 盟国の数は15カ国から一気に25カ国へ、面積は約320万平方キロメートルから、 約390万平方キロメートルへ、人口は約3億8千万人から4億5千万人へとなる。 このような大規模な拡大である一方、GDPは8兆8千億ユーロから9兆2千億ユー ロへと約5%の増加にすぎない。この点もこれまでの拡大と異なる点である。 本稿においては、中・東欧における畜産の概要と、EU拡大における農業分野 の合意内容、15カ国により構成される現在のEUの畜産分野への影響等について その概要を報告する。 ◇EU加盟国と加盟予定・候補国◇
まず、中・東欧10カ国における畜産の概要について報告する。ここでの中・ 東欧10カ国とは、2004年にEUに加盟することが決定した10カ国のうちキプロス、 マルタを除く8カ国と2007年の加盟に向けて交渉が行われているブルガリアと ルーマニアである。この項で用いている数値は、EU委員会農業総局が2002年7 月に公表したものであり、2002年4月時点で決定している政策については織り 込んでいるが、以降の政策の見直し等は織り込んでいない。また。2001年まで が実績値、2002年が推計値、2003年以降は予測値である。 中・東欧地域における農業の位置付けについて 資料:「Agricultural Situation in the Candidate Countries」(EU委員会2002年) (1)酪農 酪農は、中・東欧の多くの国において、単一の作目としては農業収入のうち の最大のものであり、重要な部門である。しかし、近年、中・東欧諸国におけ る生乳生産は減少している。乳用経産牛飼養頭数は、1992年には1,000万頭以 上であったが、その後大幅に減少し、2002年には約710万頭となっている。そ の結果、生乳生産量は2002年には2,770万トンまで減少した。しかし、1頭当た り乳量の増加から生乳生産量は乳用経産牛飼養頭数の減少割合ほど減少してい ない。1999年から2002年の直近4年間において1頭1年当たりの乳量は約10%増 加し、3,909キログラムとなった。なおEUにおける同値は6,082キログラムであ る。 こういった傾向は短期的には今後とも続くものと予測されている。2004年に は、乳用経産牛の飼養頭数はさらに約13%減少し619万頭となるが、1頭当たり 乳量は9%増加して4,261キログラムとなり、その結果、生乳生産量は2,640万 トン、約5%の減少にとどまると予測されている。 表 1 中・東欧の酪農等の概要 資料:EU委員会 中・東欧において生乳生産が多いのは、ポーランドであり、次いでルーマニ ア、チェコそしてハンガリーである。2001年のこの地域における生乳生産量の うちの約78%、2,173万トンがこの4カ国により生産されている。ポーランドは とりわけ生産量が多く、中・東欧諸国の約42%、1,165万トンを生産しており、 これは現在のEU15カ国の中で第4位の生産国であるイタリアと同程度である。 表 2 中・東欧における生乳生産量の推移 資料:EU委員会 注:ブルガリアの数値には、ヤギおよび羊の乳を年間10万トン程度含む。 表 3 中・東欧諸国における乳用経産牛飼養頭数の推移 資料:EU委員会 1頭1年当たり乳量は、国によってバラツキがあり、2001年においては、最大 がハンガリーの5,747キログラム、最小がルーマニアの3,113キログラムである。 なお、最大の生産国であるポーランドはこの地域の平均値を下回っている一方、 ハンガリーやスロバキアは平均を大きく上回っている。 表 4 中・東欧諸国における1頭1年当たり乳量の推移 資料:EU委員会 中・東欧諸国の特徴の1つは、半自給的農家、つまり、生産物を自家消費す るとともに一部を直接販売する農家の存在である。このような農家が、多くの 中・東欧諸国に存在することが、1頭当たり乳量の低さと関係があると考えら れる。一方、これら小規模の農家は生産と消費の両面において重要な位置を占 めている。 (2)牛肉および子牛肉生産 中・東欧諸国においては、肉用の繁殖用メス牛飼養頭数は少なく、また肉用 牛の肥育に特化した経営はわずかしかみられないので、従来から牛肉生産と酪 農は密接に関連している。牛肉は、子牛肉出荷であってもまた、肥育用の子牛 生産であっても、一般的には酪農の副産物であると見られている。近年、肉用 の純粋種は増加しているが、牛肉生産のほんのわずかな部分を占めるに過ぎな く、また生産サイクルが長期にわたるため、繁殖メス牛や肥育専門部門の育成 はなかなか進展していない。こうしたことから、乳用経産牛飼養頭数の減少と ともに、中東欧諸国における牛肉生産は減少している。 牛肉生産量は、1989年から2001年にかけて大幅に減少し、100万トンに満た ないまでになった。1999年から2002年までの直近4年間において、と畜頭数の 減少により生産量は8%減少した。同期間において、と畜頭数は10%減少し、5 09万頭となったが、1頭当たり枝肉重量は2%増加し、209キログラムとなった ことから、と畜頭数の減少による牛肉生産量の減少をいくぶんか抑えることと なっている。 こういった傾向は短期的には今後とも続くものと予測されている。2004年ま でに、と畜頭数はさらに9%減少して464万頭となり、牛肉生産量は13%減少し 84万トンとなると予測されている。一方、1頭当たり枝肉重量は約2%増加し21 3キログラムとなるものと予測されている。 表 5 中・東欧の牛肉生産等の概要 資料:EU委員会 表 6 中・東欧諸国の牛肉生産量の推移 資料:EU委員会 牛肉の主要生産国は、先述の生産構造から酪農部門とほぼ同じであり、ポー ランド(36万8千トン)、ルーマニア(15万6千トン)そしてチェコ(11万7千 トン)であり、この3カ国で全体の65%が生産されている。 (3)養豚 豚肉は、中・東欧諸国においては生産および消費の両面において最も重要な 食肉である。しかし、1999年から2001年の間に、と畜頭数は約13%減少し、4, 690万頭となった。この期間における豚肉の生産量は11%減少し、397万トンと なっている。なお、1頭当たり枝肉重量は81キログラムとなっている。このよ うに近年生産量は減少しているが、2004年の生産量は、生産量が最も少なかっ た2001年に比べ9%増の432万トンとなると見込まれている。これは、ポーラン ド、ハンガリー、ルーマニアなどにおける生産拡大策により、と畜頭数が増加 し、510万頭となるとともに、1頭当たり枝肉重量も増加し83キログラムになる と予測されていることによる。 表 7 中・東欧の養豚等の概要 資料:EU委員会 表 8 中・東欧諸国の豚肉生産量の推移 資料:EU委員会 (4)家きん肉 中・東欧諸国において、家きん肉生産の最大のものは、ブロイラーであるが、 いくつかの国においては七面鳥も重要性を増している。また、他の家きんが重 要な位置を占めている国もあり、とりわけアヒルとカモについては、輸出市場 において競争力のある生産物である。 養豚部門に比べ、家きん部門は一般的に大規模であり、外国からの投資が重 要な役割を果たしている。このことから、近年の増加傾向が今後とも継続する 可能性があるとEU委員会は見ている。一方、いくつかの国では小規模の生産も 重要な位置を占めている。 豚肉と同様に家きん肉の生産は需要に支えられているが、家きん肉の需要の 増大は、他の食肉よりも顕著である。1999年から2002年の間に、域内の需要が 約7%増加し、このことから生産は約5%増加して185万トンとなっている。 家きん肉生産においても、ポーランド(60万トン)、ハンガリー(42万2千 トン)、ルーマニア(27万3千トン)が主産地であり、これら3カ国により中・ 東欧諸国のうち約72%を占めている。 なお、ハンガリーは、引き続き輸出力を維持するものと予測されている。 表 9 中・東欧における家きん肉生産等の概要 資料:EU委員会 表10 中・東欧諸国における家きん肉生産の推移 資料:EU委員会
冒頭で述べたとおり、2002年12月に開催されたコペンハーゲン・サミットに おいて、新たに10カ国がEUに加盟することが決定された。この決定に当たって、 現在のEU加盟各国および新加盟国の首脳は、新規に加盟する10カ国に対しEUの 共通農業政策(CAP)をどのように適用するか、つまり、@CAPの実施による財 政支出額、A直接支払い制度、B農村開発政策、C生産枠(クオータ)の水準 について合意する必要があった。この農業予算関連問題が、加盟交渉において 最後まで残った争点であった。 なお、今回の合意は、EU拡大に関する予算が1999年のベルリンサミットで合 意されたアジェンダ2000で設定された予算の枠組みを尊重したものとなってお り、このことがとりわけ重要であると考えられている。 (1)CAPの実施による財政支出額 最も重要な合意の1つは、新規加盟国10カ国それぞれに対するCAPの実施にと もなう支出額、つまり次の事項に関する水準である。 @ 直接支払い制度 A 市場政策 B 農村開発政策 CAPの実施にともなう2004年から2006年における新規加盟国10カ国への支出 額は表1の通りである。なお、2004年における直接支払いについては、新規加 盟国それぞれの予算から手当てされ、その後、2005年のEU予算から支払われる こととなっている。 表 1 2004年〜2006年における新規加盟 10カ国へのCAP予算からの支出額 資料:EU委員会 表 2 2004年〜2006年における新規加盟10カ国へのCAP予算からの支出額 資料:EU委員会 注:1999年の水準での支出額推計 (2)直接支払い制度 新規加盟10カ国に対して、段階的な導入期間を設けることなく現在のEU加盟 国に適用している内容そのままの直接支払い制度を導入することは、新規加盟 国の構造改革の妨げになると考えられている。つまり、半自給的農家が、高水 準の直接支払いを受けることで、これらの農家が収入を得るために自らの生産 物を市場に出荷するのではなく、自家消費に向かわせることとなり、補助金に 依存した生産構造からの脱却に寄与しないと考えられている。 こうしたことから、EUの首脳は、直接支払い制度を、10年間の移行期間をも うけて、段階的に導入することとした。あわせて、新規加盟10カ国が、現在の 加盟国に適用しているCAPの支払い水準を上限として、EUから支払われる直接 支払いの金額水準に上乗せして「追加支払い」を行うことができることや直接 支払いを「単純化」して実施できることが合意された。 @ 直接支払い制度段階的実施 CAPに基づくEUからの助成は、2004年には現在のEU加盟国に対する支払い水 準の25%水準が導入され、2005年には30%水準、2006年には35%水準、2007年 には40%水準とその後も徐々に支払額を増加し、2013年には100%、つまり現 在のEU加盟国に対する支払い水準と同等とする。 A 追加支払い 新規加盟10カ国は、CAPに基づく直接支払いを補完するため、次の2つの追加 的措置のいずれかを選択し、実施することができる。 ア 新規加盟10カ国は、EUから割当てられた各国の農村開発予算と各国の独 自の予算を財源として30%の追加支払いを行うことができる。このことによ り、2004年の直接支払いは現在のEU加盟国に対する支払い水準の55%となり、 2005年は65%となる。 なお、2007年以降は、新規加盟10カ国は、各年の段階的水準への30%の 追加支払いを継続してもかまわないが、この場合はすべて自国の独自予算に よりまかなわなければならない。 イ 新規加盟10カ国は、2003年の加盟前に各国において実施されている、生産 者に対する作物別の直接支払い制度による支払額を10%引き上げた上で加盟 後も引き続き実施することができる。 なお、いずれの場合もEUの制度による助成と各国の制度による助成の合計金 額は、EUの制度が完全な形で適用された場合に支払われる金額を超えることは できない。 参考1 EUの農村開発政策予算からの流用のルール 「追加支払い」の財源は、各国の独自の予算を充てるか、EUから各国に割り 当てられた農村開発予算の一部を流用することができる。ただし、農村開発政 策予算を流用する場合には次のルールが適用される。 農村開発政策予算のうち直接支払いに支出することができる割合は、次のい ずれか。 ・ 2004〜2006年の各年における農村開発 政策予算の20%未満 ・ 2004年は農村開発政策予算の25%未満、2005年は20%未満、2006年は15% 未満。 B 直接支払い制度の実施の「単純化」 新規加盟国は、農業的利用が行われているすべての土地について、「生産か ら切り離した直接支払い」を一定期間実施するという選択をすることができる。 この場合、直接支払いの額と農業的利用が行われている土地の面積に基づき、 平均的支払い額が国別に計算され、実施される。良好な状態に管理されている すべての農地が、支払いを受ける資格を有する。 この「単純化」した直接支払い制度は選択的な移行措置であり、3年間のみ 実施 することとしているが、1年間づつ2回の延長が可能である。 なお、移行期間が終了する際には、EU委員会はすべての新規加盟国について、 現在のEU加盟国に適用しているものと同じ直接支払い制度を適用する準備が整 っているかどうかを評価する。延長を含む5年間が終了する前に、新規加盟国 に一般的なEUの制度を適用するための体制が整っていない場合は、段階的導入 に係る率は凍結され、「単純化」した制度が続けられることとなっている。 表3 新規加盟10カ国における直接支払いの段階的実施スケジュール 資料:EU委員会の資料をもとに作成 注:@率は、EUの通常の助成額に対する率である。 A合計額は1999年の単価で計算。 (3)農村開発政策 新規加盟10カ国は、目下、農業および農村の構造改革に取り組む必要がある ことから、コペンハーゲン・サミットにおいて、農村開発政策予算の拡充が合 意された。新規加盟国に対しては、農村開発政策の幅広い分野において、EUに おける農業政策実施のための基金である欧州農業指導保証基金(EAGGF)の保 証部門より最大で80%が助成されることとなっており、2004年から2006年の3 カ年間で総額5,110百万ユーロが充てられることとなった。また、EAGGFの指導 部門からも助成されることとなった。 参考2 新規加盟10カ国が利用可能な農村開発措置 利用可能な農村開発対策(EUより最大80%助成) ・早期離農措置 ・条件不利地域または環境制約地域への支援対策 ・農業・環境プログラム ・農地における植林 ・半自給的農家への特別対策 ・農家の組織化 ・技術的支援 ・EU基準に適合させるための特別対策 EAGGF指導部門から助成される農村開発対策 ・農家への投資 ・若い農業者への支援 ・技術訓練ほかの林業対策 ・加工・販売改良改善 ・農村地域の発展 新規加盟国には、生産物を自家消費するとともに生産物の一部を直接販売す る農家「半自給的農家」が多く存在するため、これらを市場志向型へ転換し、 その間の追加的収入を支援するため、農家1戸当たり年間最大1,000ユーロを助 成する特別対策が実施されることとなった。 (4)生産枠(生乳クオータ) 酪農における生乳生産枠(生乳クオータ)のような生産量を管理するための EUの既存政策は、新規加盟10カ国に対しても適用されることとなっている。こ れらの生産枠については、ロシアの経済危機や悪天候による影響などの特別の 事情を考慮に入れつつ、入手可能な最新のデータに基づいて設定することで合 意された。 新規加盟10カ国の生乳生産クオータは合計で1,833万トンとなった。これは、 現在の加盟国15カ国に対するクオータ(合計1億1,889万トン)の15.4%に相当 する。これはEUが新規加盟10カ国に対し、当初提示した枠は1,723万トンから6 .1%の増加となっている。 さらに、これに加え、EUは予備の枠を新規加盟10カ国に提示している。この 予備枠は2006年以降配分されることとなっている。 なお、EU委員会は、この予備の枠は、これまで農家で消費されていたものが、 EUへの加盟の後、直接販売や乳業メーカーへの出荷へと移行することを考慮し て設定したものであり、純粋な生産枠の拡大ではないと説明している。 表 4 新規加盟国の生乳クオータ 資料:EU委員会 注:2006年の予備枠の計には、キプロスとマルタにかかる分を含まない。
国際獣疫事務局(OIE)によれば、新規加盟国において過去18カ月間(2002 年3月現在)に発生した主な家畜の疾病は以下の通りとなっている。 表5 新規加盟国において過去18カ月間に発生した家畜疾病 資料:OIE 家畜衛生を含む食品の安全性は、加盟のための準備作業においても重要な課 題の1つとなっており、EU委員会は、2000年11月に出されたEU委員会の拡大戦 略ペーパーにおいて、加盟候補国は、食品の安全性に係る食品の生産・流通・ 消費のすべての過程について、対策の実施および管理を確実とする必要がある と強調している。このため、各国はEU基準に適合させるための対策を実施して いるところである。
新たに10カ国がEUに加盟することにより、現在のEU15カ国の畜産分野へは、 プラスとマイナスの両方の影響があると考えられる。それらのうち主なものは、 以下のとおりである。 ・現在のEU15カ国の酪農など畜産関連産業にとって、新規加盟国が新たな市 場となる。 新規加盟10カ国の市場は、現在市場価値が低い製品が多い。このため、新 規加盟国は、現在のEU15カ国の畜産分野に対して、高付加価値製品を販売す る市場を提供することになる。このことは、今後、新規加盟国の経済が発展 するにしたがって、高付加価値製品への需要が一層増すものと考えられる。 ・乳業・食肉加工メーカーにとっては、新規加盟国が新たな投資先として魅 力的な地域である。とりわけ、現在のEU15カ国においてはクオータ制度の基 で、牛乳の生産が制約を受けていることから、現在のEUの乳業メーカーにと っては、新規加盟国において投資を行うことが事業拡大に絶好の機会となる と考えられる。食肉関係メーカーにとっても同様であろう。 ・一方、短期的には、新規加盟国は、現在の EU15カ国へ一次製品を供給する ことになる。新規加盟国は豚肉、生乳などの生産者価格が低い傾向にあるこ とから、現在のEU15カ国は、新規加盟国から、多くの食肉製品や、酪農製品 の輸入に直面する可能性が十分ある。
2002年12月のコペンハーゲンサミットにおいて、中・東欧などの10カ国が新 たにEUに加盟することが合意された。1997年12月のルクセンブルグ・サミット においてポーランド、チェコ、ハンガリー、スロベニア、エストニア、キプロ スの6カ国との加盟交渉が決定し、その後加盟交渉国を拡大しつつ交渉を重ね てきた結果が2004年5月に一気に10カ国の加盟という形になった。また、ブル ガリアとルーマニアについては2007年の加盟に向けた交渉が続けられており、 トルコについては加盟のための政治的基準を満たせば2004年12月以降加盟交渉 を開始することとなった。さらに、現在加盟申請を行っている国もあり、EUは さらに拡大することが見込まれている。 一方、今回のEU拡大のための次なる重要なステップが、2003年4月にギリシ ャのアテネで行われる予定の加盟条約の調印とその後の批准である。また、加 盟予定国は加盟について国民にその是非を問う国民投票を2003年3月下旬以降 実施する予定となっている。 これらの手続きが順調に進めば、2004年5月には25カ国4億5千万人の人口か ら構成される新たなEUが誕生する。
「Prospects for Agricultural markets 2002-2009」(EU委員会:2002年) Council of the European Union 「Copenhagen European Council 12 and 13 December 2002 Presidency Conclusions」(欧州理事会:2003年) 「Agricultural Situation in the Candidate Countries Country Report」 (EU委員会:2002年) EU委員会のプレスリリース、 「Disease Information published during the past 18 months」OIE
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