規模拡大する中国の家きん肉産業
中国の家きん農家の収益は増加傾向
中国農業部畜牧獣医局によると、2002年の中国の家きん肉生産量は有意に増
加し、家きんの飼育量、出荷量はともに昨年の水準を上回った。
中国では、家きんの飼育羽数の増加に加え、良質の家きん類(黄鶏(中国の
在来鶏)の雑種、カモ、ガチョウ)の出荷も増え、さらには、家きん肉、卵の
価格の上昇、飼料価格の下落、加工水準の向上などにより、家きん生産の収益
性が高まっている。また、家きん肉の生産は、規模拡大、インテグレーション
化が進んでおり、収益が保証されることにより、生産農家の積極性が高まって
いる。この規模拡大により、供給も安定し、企業の生産も保証され、家きん肉
産業が急速に発展してきている。
家きん肉の輸出入は減少、加工肉の輸出は増加
家きん肉および食用の内臓の輸出入量は、2002年1月〜11月において大幅に
減少した。この要因は、輸出については日本向けの冷凍鶏製品の輸出が前年同
期比39.0%減少したことである。また、輸入の減少は主に米国からの輸入が減
少したことによるものである。中国の家きん肉および食用内臓の輸入の86.2%
は米国からである。
家きん肉の加工品の輸出については、2002年1月〜11月において、前年同期
比26.1%増の14万3千トンとなった。このうちの89.1%を占める12万8千トンが
日本向けで、前年同期比を36.3%上回った。また、香港向けは、前年同期比13
.3%減の1万トンとなった。これは、2002年に香港地域で鶏インフルエンザが
流行し、消費が低迷したためである。なお、加工された家きん肉の輸入は大変
少ないものとなっている。
家きん肉の消費は中国南部中心
また、家きん肉消費量は、2002年1月〜11月において1人1月当たり0.77キロ
グラムであり、肉類合計の13.9%を占めた。このうち鶏肉の消費量は0.47キロ
グラム、鴨肉の消費量は0.31キログラムであった。中国の家きん肉の消費は南
部の地域で多く、同期1人1月当たり家きん肉消費量が多い省は、広西自治区1.
55キログラム、広東省1.47キログラム、上海市1.38キログラム、海南省1.30キ
ログラムとなっている。
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