◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2003年1〜4月の牛肉輸出量(枝肉重量ベース) は、前年同期比3.4%増の35万4千トンとなった。 輸出先を国別に見ると、最大の市場である日本は、前年同期比24.1%増の 13万3千トンと、2001年に日本で牛海綿状脳症(BSE)が確認されたことによ る消費者の牛肉離れによる需要低迷から回復を示したが、BSE発生前の2001 年同期の17万トンと比べると14%減と、いまだに完全には回復していない。 一方韓国は、牛肉の自由化により堅調に需要を伸ばしてきたがそれにも陰り が見え、前年同期比8.9%減の7万9千トンとなった。
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資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」 注 :枝肉重量ベース |
一方、2003年1〜4月の牛肉輸入量(枝肉重量ベース)は、前年同期比5.3%増 の49万8千トンとなった。穀物肥育牛肉の最大の調達先であるカナダからが前年 同期比7.1%増の16万4千トン、ブラジルは同1.1%増の2万6千トン、ニュージ ーランドからは現地の枝肉生産量が2002年に比べ増加し、安定供給が行なわれた ことから29.5%増の11万6千トンと前年大きく上回った。一方で、豪州からの輸 入が同8.3%減の16万1千トン、アルゼンチンからは5.4%減の8千トンと前年を 下回った。
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資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」 注:枝肉重量ベース |
今後の輸出については、韓国は需要が引き続き期待できることから増加が期待さ れる。一方、日本の需要の回復が遅れているほか、カナダはBSE発生により輸出が できず国内需給が緩んでおり、今後のカナダ向け輸出動向は不透明である。 2003年の輸入量は、米国国内の牛肉需要が好調なことにより2002年をさらに上 回ると見込まれる。また、5月29日に口蹄疫の清浄化に伴いウルグアイからの冷蔵・ 冷凍牛肉の輸入が解禁されたことも輸入増加の要因と考えられる。その一方、米国 にとって最大の牛肉輸入国であるカナダに対し、依然輸入禁止措置を行なっており、 この措置がいつまで続くかが今後のカギとなる。
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