EU、2003年7月から肉製品の原材料表示内容を拡充
EU域内で、7月1日から肉製品の原材料についての表示を厳格化
EUでは、2003年7月1日から肉製品(ソーセージ、パテ、調理された肉、缶詰など)
の原材料について「○○肉」(例:牛肉、豚肉)と表示できる範囲をより厳格に定
めた措置が適用されることとなった。これにより消費者は、自分が食べようとする
肉製品についてより詳細な情報が得られるようになった。
これは、EU委員会が2001年11月26日、2000年3月20日に定められた食品全般に関
する表示、展示および広告に関する指令(2000/13/EC)に「肉」に関する定義の指
令を新たに制定した(2001/101/EC)ことにある。この指令は、さまざまな方法に
よってあらかじめ包装された肉製品について消費者への情報を改善するものであ
る。この指令は、EU加盟国のそれぞれの国が2002年12月31日までに法律にすると
ともに、本年1月1日から6月30日までを移行期間と定めていた。
この結果、EUではいわゆる精肉以外の部位である臓物(心臓、腸、肝臓を含む。)
や脂肪を一定割合を超えて含む製品については、「○○肉」とは表示できなくなっ
た。7月1日以降は、「豚肉、豚の肝臓、…」と表示されるようになった。一方、
精肉に腱などが付着している部分もあるので、「○○肉」と表示できる脂肪と結合
組織の最大含有率を種によりそれぞれ以下の表の通り定めている。
一般に消費者は、骨格筋以外の部分についても「肉」と考えているが、これによ
り、肉、内蔵肉、脂肪のいずれかを自分が食べようとしているか明白に知ることが
できるようになった。
消費者の意思がより明確に
この件に関してEUのデイビッド・バーン保健・消費者保護担当委員は、「このよ
うに肉製品の表示がより明らかになったことは、消費者自身が何を買うか、何を食
べるかの選択の権利となる」と述べている。
鶏肉での表示改善を提案
一方、同委員は「最近、イギリスとアイルランドで、鶏の胸肉に水分を注入し、
これをささみ(chicken fillet)と偽った表示をして付加価値を高かめて販売して
いたものがあった。このような加工が明白にわかるように表示内容を改正する必要
がある。例えば今回のような肉であれば「水を含ませた胸肉」と明確に表示するこ
とを提案するだろう」と鶏肉表示の改善が行われる見込みであることを述べた。
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