豚肉の輸出入量、ともに増加 ● 中国
卸売価格は供給増から低下傾向
中国農業部牧畜獣医局によると、2003年第1四半期の豚肉生産量は増加、また、
豚の飼養総頭数は前年同期を上回り、出荷頭数も増加した。
3月の価格動向を見ると、子豚はキログラム当たり7.96元(約113円)、前年
同月比4.6%の低下となったが、2月と比べ2.8%上昇した。生体豚は同5.83元(約
83円)で、前年同月に比べわずかに下落、前月比では2.3%低下した。豚肉は同10.04
元(約143円)、前年同月比2%の低下、前月比でも2.3%低下した。2002年の飼料と
豚肉の価格比は1:5.39であり、特に10月〜12月の3カ月間は1:5.5となり、高い利
益をもたらすことから農家の生産意欲を刺激し、その結果、飼養頭数の拡大につな
がった。しかし、春節以後、豚肉の消費はオフシーズンを迎え、供給過剰が価格の
下落を招く結果となった。今後、数カ月は、生体豚および豚肉製品の価格は、引き
続き小幅な下降を続け、大幅な値動きはないものと見込まれている。
輸出は香港向けなどを中心に増加
1〜2月の豚肉(調整品を含む)輸出量は、香港、ロシアおよび日本向けの増加に
より、前年同期比17.8%増の3.7万トンとなった。国別には、香港が前年同期比
32.8%増の1.5万トン、ロシアが同1.8%増の1.1万トン、日本が同27.3%増の0.2
万トンとなり、これらで全輸出量の77%を占めている。豚肉の輸出額の上位10省
(市)は、山東、四川、河南、広東、上海、浙江、湖南、重慶、福建と黒龍江で、
これらの省(市)の輸出総額は前年同期比18.1%増の4,922万ドル(約59億円)
となり、全体の92.4%を占めている。
一方、1〜2月の輸入量は前年同期比27.9%増の1.26万トンとなった。国別に見
ると、米国が前年同期比6.5%減の0.5万トンで全体の48.3%を、カナダは同91.6%
増の0.4万トンで全体の39.2%を占めている。また、デンマークは0.12万トンで
全体の12.6%を占め、前年同期比で10.65倍の増加となっている。
生体豚輸出は前年同期比6.9%減
1〜2月の生体豚の輸出は、前年同期比6.9%減の26万6千頭となり、そのうち
香港向けは同6.8%減の24万7千頭、マカオ向けは同7.9%減の1万8千頭となっ
た。これは、主に香港、マカオでのSARSの流行の影響で需要が減少したためとみ
られる。
生体豚の輸出額上位8省(市)を見ると、広東、湖南、湖北、河南、浙江、江西、
広西および上海で、これらの輸出総額は2,912万ドル(約35億円)と、全輸出額
の99.2%を占めている。省別には、広東省が6.5%上昇した以外は、いずれも減少し
ており、その下げ幅が最も大きいのは福建省の34.4%であった。
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