EUの牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2003年上半期の主要国のと畜頭数は減少


● ● ● 前年同期比1.5%減 ● ● ●

 EU統計局によると、EU主要6カ国の2003年上半期(スペインは5月まで)のと畜頭数(子牛を含む)は、EU最大の牛肉生産国であるフランスやそれに次ぐドイツなどで減少したことから、前年同期比1.5%減の約982万頭となった。

EU主要国の上半期のと畜頭数   (単位:千頭、%)
資料:EU統計局

● ● ● フランス1.0%減、ドイツ10.8%減 ● ● ●

 国別に見ると、と畜頭数の最も多いフランスは、前年同期比1.0%減の約283万6千頭となった。同国では、今後、繁殖雌牛の更新および6月以降の干ばつの影響による牛群の縮少などにより、と畜頭数は増加すると見込まれている。ドイツは、昨年来から未経産牛および繁殖雌牛のとう汰により牛の飼養頭数が減少しており、10.8%減の187万8千頭と主要国では最大の減少幅となった。また、イタリアは、@オランダが口蹄疫清浄国に復帰したことから、子牛肉輸出が減少したことAフランスからの生体牛輸入が減少したこと−から、3.9%減の200万頭となったがドイツを抜いて第2位となった。


● ● ● 2003年のと畜頭数は減少見込み ● ● ●

 また、EU統計局が7月現在で予測した2003年のEU15カ国のと畜頭数は、先述のとおりフランスやドイツなどで減少することが予想されていることから、前年比1.8%減の約2,698万5千頭と見込まれている。フランスは5.5%減の698万3千頭、ドイツは2.8%減の468万5千頭と見込まれている。一方、アイルランドは8.0%増の205万3千頭、オランダは2.0%増の151万9千頭と見込まれている。

 なお、イギリス食肉家畜委員会(MLC)によると、2003年の牛肉生産量(枝肉ベース、子牛肉を含む)は、このようなと畜頭数の減少などによりフランスやドイツなどで生産が減少することから、前年比1.1%減の約743万8千トンと予測されている。

EUの2003年のと畜頭数見込み   (単位:千頭、%)
資料:EU統計局

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