米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2003年10月のブロイラー生産量増加


● ● ● ブロイラー生産2003年はほぼ前年並み ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2003年10月のブロイラー生産量(可食処理ベース)は、前年同期比2.3%増の137万3千トンとなった。生産量は今年に入り前年同月を下回って推移したが、6月から増加に転じ前年同月を上回った。2003年1〜10月でも、前年同期比0.5%増の1,245トンと前年を上回った。2003年当初、懸念された低調な生産量もほぼ前年並みとなる見込みである。

● ● ● ひなふ化羽数が9カ月連続で前年同月を下回る ● ● ●

 生産量に大きく影響するひなふ化羽数は、9月に、前年同月比0.3%減の7億3,919万羽と2002年10月以来ほぼ12カ月連続で前年同月を下回っている。2003年1〜10月では前年同期比0.8%減の68億5,922万羽となった。しかし、ブロイラーひなふ化数を対前年増減率で見てみると2002年10月はマイナス2.6%、2003年6月ではマイナス0.4%と減少率は縮小している。後述の堅調な需要、収益の増加などから、ひなふ化羽数は増加に転じると思われる。 



ひなふ化羽数の推移

● ● ● 堅調な需要から純収益も増加 ● ● ●

 ブロイラー卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、2003年1月以降前年同月を上回って推移している。主な輸出相手先であるロシアや日本への輸出量は減少しているものの中国をはじめとするアジア向けの輸出が堅調なことと国内での牛肉や豚肉の販売価格の上昇を受けてその代替え需要が増加していることなどから、2003年1〜10月の平均では、前年同期を9.9%上回るポンド当たり61.3セント(キログラム当たり約149円:1ドル=110円)となった。このため、1〜10月におけるブロイラー生産加工業者の平均純収益(丸どり1ポンド当たり:可食処理ベース)は、前年同期比38.6%高の12.4セント(キログラム当たり30円)と依然高い数値となっている。



生産コストおよび純収益
資料: ERC/USDA[Livestock,Dairy Poultry Outlook」
 注1:過食処理ベース
  2:純収益は、卸売り価格マイナス生産コスト(丸どり)


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