世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○米国のトウモロコシ生産量は史上最高の見込み



● ● ● 2003/04年度の生産量は前回予測を上方修正 ● ● ●

米農務省(USDA)が10月10日に公表した穀物の需給予測によると、2003/04年度(2003年9月〜2004年10月)の米国のトウモロコシ生産量は、前月の見通しから667万3千トン上方修正され、2億5,927万トンと予測されている。    

今年度の米国のトウモロコシ生産量は、育成期に気象条件に比較的恵まれ、8月の中西部を中心とした高温乾燥の気候が当初考えられたほどのダメージとならなかったことなどから、前年度(2億2,880万トン)を13.3%上回り、史上最高の豊作が見込まれている。また、単位当たり収穫量も記録的な水準と予測されている。

● ● ● 収穫は前年を上回るペース ● ● ●

11月9日現在の主要18州のトウモロコシ収穫率は、前年同期の85%を6ポイント上回る91%となり、収穫はほぼ最終段階を迎えている。これを州別に見ると、ノースカロライナ州、テキサス州の2州では、100%収穫が完了しており、主要生産地帯である中西部でも、ミネソタ州が99%、アイオワ州が96%など、前年同期を上回るペースで収穫が進んでいる。

● ● ● 中国のトウモロコシ生産量は減少見込み ● ● ●

米国で記録的な増産が見込まれる一方で、中国やEUでは減産が見込まれている。特に米国に次いで生産シェアの大きい中国では、作付面積の減少、春先の中国北東部における干ばつや生育段階での多雨などから、前年度比6%減の1億1,400万トンと予測されている。このため、輸出競争力の強まった米国産トウモロコシの輸出が増加すると見られている。

米国では輸出が堅調であるものの、史上最高の生産量により、供給量が需要量を上回ることから、期末在庫量は前年を24.6%上回る水準となり、トウモロコシ価格(シカゴ相場の先物、期近価格、各月最終取引日の終値)は、1ブッシェル当たり1.90〜2.30ドルと予測されている。

なお、民間の農業コンサルタント会社であるスパークス社は11月5日、今年度のトウモロコシ生産量を103億1,700万ブッシェル(約2億6,205万トン)とUSDAの10月時点の予測を上回る予測を発表している




中国のトウモロコシ生産量、消費量、期末在庫の推移 

米国のトウモロコシ期末在庫の推移 
資料:USDA「Grain:World Markets and Trade_, USDA/ERS
 注:年度は9月〜翌年10月
 注:02/03年度は見込み、03/04年度は予測値


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