● ● ● 乳牛1頭当たりの年間平均乳量はわずかに回復 ● ● ●
豪州農業資源経済局(ABARE)は、四半期ごとに主要農産物の需給予測を発表している。9月の発表によると、2003/04年度(7〜6月)においては、干ばつの影響の緩和により、穀物飼料価格の低下や降雨による牧草の生育の改善などから、乳牛飼養頭数(2004年6月末時点)は、前年比0.6%増の206万4千頭と見込んでいる。また、乳牛1頭当たりの年間平均乳量は、前回予測では前年度比0.3%減少となっていたが、同0.6%増の5,058リットルと上方修正された。これらにより2003/04年度の生乳生産量は、前回予測の1,018万キロリットルから1,044万キロリットル(前年度比1.1%増)になると予測している(図1)。
● ● ● 主な乳製品の国際価格もわずかに上昇 ● ● ●
2003/04年度の乳製品生産量は、生乳生産量が増加したことからすべての品目で前回予測よりも増加しているものの、バターは前年度比7.1%増、脱脂粉乳は同8.4%増となる一方、チーズは同1.1%減、全粉乳は同4.3%減となっている。
乳製品の輸出量は、バター以外は前年度を下回る見込みであるが(図2)、主な乳製品の国際価格はわずかに上昇すると見ている。品目別にみると、バターは前年度比0.1%高のトン当たり1,187米ドル、チーズは同1.6%高の1,804米ドル、脱脂粉乳は同3.3%高の1,639米ドルと予測している(図3)。特に粉乳類については、欧州における牛乳・乳飲料の需要の増加を背景とする輸出向け粉乳の生産量の減少を要因として見ている。
● ● ● 乳製品輸出金額は前回予測より1割増加 ● ● ●
したがって2003/04年度の乳製品全体の輸出額は、前回の予測額22億3,500万豪ドル(約1,743億円:1豪ドル=78円)よりかなり上昇し、前年比3.6%増の24億6,300万豪ドル(約1,921億円)と上方修正している。
しかし、生産者乳価は豪ドル高の影響なども続くことから、前回予測より上昇したものの前年度比1.4%減の29.1豪セント(約23円)と予測されている。
|