● ● ● 2002/03年度生乳生産量わずかに増加 ● ● ●
ニュージーランド(NZ)の巨大乳業メーカーフォンテラによると、2002/03年度(6〜5月)の生乳生産量(乳固形分換算)は、114万8千トンと前年度より3.3%の増加となった(図1)。NZ農林省が公表している中期予測によれば、NZの生乳生産量は98/99年度から2007/08年度にかけて経産牛飼養頭数の増加により、生乳生産量は前年度比3%前後で一貫して増加すると予測していることから、02/03年度の生産量が増加した背景には飼養頭数の増加が寄与していることがうかがえる。
● ● ● 10月までの累計生乳生産量は前年同期比4.5%増と中間報告 ● ● ●
現在、NZでは生乳生産のピークである春期(10〜12月)を迎えている。生乳生産の7割強を占める北島では、この時期、雨が多かったため牧草の生育が悪く、多くの農家では搾乳回数を1日1回に減らしているとの報告がある。しかし、フォンテラは、最近のNZの総生乳生産量(6月1日〜10月11日までの累計)を見ると、北島での減少はわずかな量に過ぎず、南島中央部や南部では前年の同期と比べ10%生乳生産量が増加しているため、NZ全体の生乳生産量は4.5%増加となっていると述べている。北島での天候不順は現在も続いている状態であるが、早期に回復すれば今年度の生乳生産量はさらなる増加が見込まれる。
● ● ● 2002/03年度バター輸出量、ベルギー向けが大幅増 ● ● ●
NZ政府統計局の発表した貿易統計によると、2002/03年度(7〜6月)のバター輸出量は、前年度より6.0%増の23万1,824トンとなった。バターの輸出量は、過去7年間22万トン前後で推移している。国別に見ると、ベルギー向けが大幅に増加し前年度比87.1%増の79,932トンとなり、バター輸出量全体の34.5%を占めた。
また、輸出額(FOB価格ベース)は同13.4%減の5億9,842万NZドル(約406億9千万円:1NZドル=68円)となっており、他の乳製品と同じく輸出価格を引き下げたことで欧州産や米国産に対する国際競争力が強まり、輸出の増加につながったと考えられる(図3)。
|