◇絵でみる需給動向◇
● ● ● 前年同期比1.0%増 ● ● ●
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EU主要国の上半期のと畜頭数 (単位:千頭、%) |
資料:EU統計局 |
国別に見ると、と畜頭数の最も多いドイツは、国内の飼養頭数の増加に加え、 オランダなどからの生体豚輸入が増加していることから、前年同期比3.6%増の約2,241万7千頭となった。
スペインは7.1%増の1,622万7千頭となった。スペインの2003年上半期の生体豚輸入頭数は、 前年同期比24.4%減の約61万4千頭となったことから、同国では国内の飼養頭数がかなり増加しているとみられる。
フランスのと畜頭数は、1.0%増の1,331万3千頭となった。フランスはイタリアやイギリスなどへの豚肉輸出が順調で、 2003年上半期の豚肉輸出量は、前年同期比3.0%増の約20万3千トンとなった。
一方、EUの主要豚肉輸出国であるオランダは、@ドイツなどへの生体豚輸出が大幅に増加していること A環境問題などに対処するため、国内の豚飼養頭数を適正規模とすることを目的とした政府主導の「
頭数削減計画」が実施されていること−などから前年同期比10.9%減の約689万6千頭となった。 なお、この計画は2004年まで行われる見込みである。
しかし、ドイツ市場価格情報センター(ZMP)の予測によると、2003年のEU15カ国のと畜頭数は、 第3四半期および第4四半期のと畜頭数が減少すると予測されていることから、前年比0.5%減の約2億219万頭と見込まれている。
この背景としては、@域内の牛肉需要が回復傾向であることなどから、豚肉需要があまり芳しくないこと A最大の輸出先であるロシアで今年4月に関税割当制度が開始された中、
ブラジル産豚肉などとの競争が激化していること−が挙げられる。業界関係者によれば、今年のロシア向け豚肉輸出量は、 前年比50%減になるのではないかと懸念されている。
なお、EUの豚肉業界関係者で構成される豚肉常設委員会予測グループの需給見通しによると、 2003年のEUの豚肉生産量(枝肉ベース)は、と畜頭数の減少などによりイギリスやオランダなどで生産が減少することから、
前年比0.5%減の約1,770万トンと予測されている。
EU主要国の2003年のと畜頭数見込み (単位:千頭、%) |
資料:ZMP |
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