米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○と畜頭数増加も肥育豚価格堅調



● ● ● と畜頭数が増加 ● ● ●

 米農務省(USDA)の発表によると、10月の豚と畜頭数は前年同月比1.6%増の955万頭となった。2002年後半から繁殖雌豚飼養頭数の減少、子豚生産頭数の減少が続いているが、2003年4月以降と畜頭数が前年同月を下回り推移したが、9月、10月とわずかに増加に転じた。

                          
           図1 と畜頭数の推移

● ● ● 肥育豚価格高騰 ● ● ●

 肥育豚価格(生体重換算、全米平均取引価格)は、2001年10月以降おおむね前年を下回って推移したが、2002年末から上昇(対前年減少率が縮小傾向)を示し2004年4月には18カ月ぶりに前年同月を上回った。2003年10月の肥育豚価格は、前年同月を23.1%上回る100ポンド当たり39ドル(キログラム当たり95円:1ドル=110円)となった。

 2003年9月期も繁殖雌豚飼養頭数の減少、子豚生産頭数の減少により、と畜頭数の減少が見込まれることから肥育豚価格も引き続き前年を上回り推移すると見込まれる(左図参照)
 

● ● ● カナダからの生体輸入は増加 ● ● ●

 一方、米国内の堅調な価格と生産頭数の減少を受けてカナダからの生体豚の輸入頭数が増加傾向となっている。USDAによると、米国の生体豚輸入は、そのほとんどがカナダからの輸入となっており、カナダからの生体豚輸入は、2003年8月は前年同月比52%増の66万3千頭となった。その内訳をみると肥育豚が前年同月比71.1%増の24万3千頭、110ポンド未満(約50キログラム未満、肥育向け子豚)が同42.8%増の42万頭となっている。米国の肉豚飼養頭数の減少をカナダの輸入生体豚が補う形となっている。
 また、カナダでのBSE発生に伴うカナダ国内での牛肉消費を推進する動きから、結果として、豚肉の需要が落ち、カナダでの生体の取引価格が軟調傾向となり、価格が堅調な米国へ輸出が増えたことも要因の1つとされている。

            図2 カナダからの生体輸入



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