2002年の生乳生産量は大幅増 米農務省海外農業局(USDA/FAS)は先ごろ、中国における酪農の状況に関するレポートを公表した。そのうち、生産の概要は次の通りである。
需要の伸びに対し国内供給量が不足 しかし、牛乳・乳製品需要の急速な伸びに国内の供給が追いつかないため、米国および豪州からの生体牛および乳製品の輸入も増加しており、2002年の乳製品輸入量は前年比34.3%増の26万2,595トンとなっている。これは、中国ではホルスタインなどのいわゆる純粋な乳用種の飼養頭数が不足していることが主な要因として挙げられる。中国農業部によると、2002年の純粋種の乳用牛群に占める割合は5割に過ぎず、2003年には、その割合はさらに低下し、3分の1程度と推計されている。また、草地の減少による粗飼料の不足や疾病管理も国内生産拡大に向けた大きな課題とされている。
こうした状況を受け、農業部は国家戦略として「Advantageous Cow Milk Development
Area Plan」(2003−07年)の実施を発表した。これによると、黒龍江省と内蒙古の一部などの北東部、山西省と河北省の北部、および北京・天津・上海地域の3地域を対象に、牛群改良、飼養管理の改善、向上を図ることで、生産拡大を目指している。この計画の実施により、2007年までには、これら地域における乳用牛の飼養頭数は280万頭となり、年間生乳生産量も15〜18%の増加が見込まれる一方、乳製品の輸入量が減少するものと予測されている。 |
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