◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2002年12月の牛肉の生産量(枝肉重量ベース) は、前年同月比2.6%減の93万3千トンとなった。これは、10月後半の悪天候を 受けて、と畜頭数、1頭当たり枝肉重量が減少したことによる。 枝肉重量は、11月下旬には回復し、その後、12月初旬の降雪により再び供給 の減少が懸念されたが、その影響は軽微なものであり、むしろ小麦生産地帯に とっては恵みの雨となった。 牛肉の国内および輸出双方の需要は強い状況にあるものの、12月のフィー ドロットの飼養頭数(主要7州)は前年同月比8.4%減となっており、牛肉の供 給については、今後数カ月にわたり厳しい状況にある。 牧草の生育の状況が良好であれば経産牛の保留が進み2003年の後半にはフィ ードロットの飼養頭数は増加する見込みとなっているが、雌牛のと畜頭数は20 03年も高水準で推移するものと見込まれ、増加はまだ先になるとされている。 ◇図:フィ−ドロットへの導入頭数の前年比の増減◇
12月の肥育牛価格は、枝肉生産量の減少を反映し、前年同月比12.5%高の10 0ポンド当たり72ドル(1キログラム当たり192円、1ドル=121円)となり、牛 肉卸売価格についても前年同月比8.2%高の100ポンド当たり122.4ドル(1キロ グラム当たり326円)と、ともに前月に引き続き上昇した。 ◇図:牛肉の卸売価格◇
牛肉の輸出は、日本市場がBSEによる低迷から回復したこと等から第2四 半期以降前年を上回って推移している。中でも韓国向けは、第3四半期は同12 %増であったが、これは韓国が輸入自由化の一環として前年の同時期に在庫の 一掃を図り、輸入が少なかったことによる。また、第4四半期においては、低 価格による供給増から、輸出は前年同期比9%増と見込まれる。
第3四半期の輸入は、ファーストフード店でのハンバーガーの販売が弱含み で推移したことや年度中盤から乳牛のと畜頭数が増加したことから、前年同期 比1%減となり、通年でも前年同期を3%下回る見込みである。
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