◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2002年第4四半期(10月〜12月)のブロイラー 生産量(骨付きベース、以下同じ)は、前年同期比0.5%増の358万3千トンと 推計されている。生産の増加率は、第3四半期(前年同期比4.8%)と比較する と減少が見込まれている。これは、1羽当たりのと体重量が前年を上回って推 移しているにもかかわらず、処理羽数が減少していることによるものと推察さ れる。 育成雛羽数は減少が継続しており、直近の8週間の育成雛羽数は平均1億1500 万羽と前年同期を3%程度下回って推移している。また、ひなふ化羽数につい ては、10月に前年同月比2.6%減となり、11月には同1.3%と回復したが、増加 率は年度当初と比らべて鈍化傾向にある。 2003年第1四半期の生産量は、ひなふ化羽数の増加率が鈍化していることや 廃鶏数が前年を下回って推移するとの予想から、増加率は0.6%にとどまり、3 58万3千トンと見込まれている。 ◇図:と畜体重の推移◇ ◇図:ブロイラーひなふ化羽数(対前年増減率)◇
こうした生産の減少により価格が上昇に転じるには、冷凍鶏肉在庫の減少に 伴う市場供給量の減少が不可欠である。11月のブロイラーの在庫数量は38万5 千トンと前年同期を35%上回り依然として高い水準となっている。 ブロイラー卸売価格(12都市の丸どりの平均価格)は11月は53.4セント/ポ ンド(64.6円:1ドル=121円)、12月は同53.8セント(65.1円)と前年同期を 下回って推移した。ブロイラーの卸売価格は、処理羽数の増加が鈍化している こと、2003年の上半期については牛肉および豚肉の供給が低調であるとの見込 みから徐々に回復し、数カ月間強含みで推移するものと見込まれる。 ◇図:冷凍鶏肉在庫の推移◇
2002年9月のブロイラーの輸出は、手羽先の対ロシア向け輸出の不振等もあり、 前年同期比26.4%減と大幅に減少した。しかし、10月には前年同月比3.2%増と 回復が見られた。
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