ＥＵの牛乳・乳製品の需給動向

◇絵でみる需給動向◇

○2009年までの牛乳・乳製品需給動向予測

　EU委員会は2002年12月、EU15カ国における2002〜2009年までの主要畜産物の
需給に関する中期予測を発表した。これは、2002年6月に発表された予測を、2
002年9月末までの統計データを使用して最新版として発表したものである。

● ● ● 経産牛飼養頭数は減少傾向で推移 ● ● ●

　経産牛の飼養頭数は、最新のデータを考慮し、前回の予測値を下方修正し、
予測の最終年である2009年には、2002年と比べて、8.1％の減少とした。一方、
1頭当たりの乳量については、2002年以降、年平均で1.4％増加し、2009年には、
2002年と比較して10.0％増の6,738キログラムになるとしている。この1頭当た
り乳量の増加が経産牛飼養頭数の減少を補い、生乳生産は、ほぼ横ばいで推移
すると予測している。

● ● ● iチーズの生産、消費は増加、バター、脱脂粉乳は減少 ● ● ●

　チーズの消費は、2002年以降、年平均1.1％増で緩やかに推移していき、200
9年には2002年と比べて7.0％増加すると予測している。また、チーズの1人当
たりの消費量も、2002年の18.7キログラムが、2009年には19.9キログラムまで
増加するとみている。この安定した成長が、チーズの生産の増加にもつながり、
2009年の生産量は2002年と比較して6.5％増加し、769万5千トンになるとみて
いる。

　チーズの生産が増加するとみられている一方、バターの生産量は減少傾向が
続くと予測している。この要因としては、EUにおけるバターの消費量の減少が
挙げられている。バターの1人当たり消費量は、2002年の4.60キログラムから、
2009年には4.49キログラムに減少すると見込まれている。

　脱脂粉乳については、食用向け脱脂粉乳の消費は安定して推移するとみられ
ているが、飼料向け脱脂粉乳の需要減により、2009年の生産量は2002年と比べ
27.2％の大幅な減少と予測されている。

生乳の需給動向予測

資料	：ＥＵ委員会

チーズの需給動向予測

資料	：ＥＵ委員会

バターの需給動向予測

資料	：ＥＵ委員会

脱脂粉乳の需給動向予測

資料	：ＥＵ委員会
　注	：生産量にはバターミルクパウダーを含む
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