◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)が四半期ごとに発表する豚の飼養動向調査によると、2002 年第3四半期(12月1日現在)の豚の総飼養頭数は、前年同期(5,980万4千頭) に比べ、1.4%減の5,894万3千頭となり、2001年第4四半期から4期連続で増加 してきた飼養頭数は減少に転じた。 区分別の飼養動向を見ると、繁殖豚(雄を含む。)が、前年同期比3.2%減 の601万2千頭となり前回調査(9月、同1.7%減)と比して減少割合が増大した のみならず、これまで前年を上回る水準で推移してきた肥育豚についても同1 .2%減の5,293万1千頭と減少に転じた。これを体重階層別に見ると、60ポンド (約27キログラム)以上は前年同期比0.6%減であったものの、60ポンド未満 は同2.2%減となっている。 また、子豚の生産頭数についても11月は前年同月比3.7%減の8,176千頭とな っており、6月以降前年を下回って推移するとともに、その減少率が大きくな っている。このため、飼養頭数の減少傾向は今後も継続していくものと見込ま れる。 ◇図:豚飼養頭数の推移◇ ◇図:子豚生産頭数◇
12月の肥育豚価格は、と畜頭数の減少を反映し、前年同月比7.5%安の100ポ ンド当たり32.5ドル(1キログラム当たり87円:1ドル=121円)となり、前月 (同23.2%安)に引き続いて低下率は減少した。卸売価格は、前年同月比7.4 %安の52.5ドル(140円)となっている。第4四半期(10月〜12月)のと畜頭数 は、前年同月比2.0%増の2,680万頭、肥育豚価格は、100ポンド当たり、30ド ルから31ドル(80〜83円)と引き続き低下するものの比較的堅調に推移するも のと予測されている。
輸出については、第3四半期(7月〜9月)は、前年同期比26%増の18万2千ト ン(枝肉ベース)となり、年度当初からの累計では同3.6%増の54.5万トンと なった。国別には日本向けは8月からの関税の緊急措置の発動にもかかわらず 前年同期比9.3%増と好調を維持し、カナダ向けも同5.1%と増加した、ロシア 向けが同49.6%減、メキシコ向けが同2.8%減少した。第4四半期(10月〜12月) は、季節的な要因やアジアの需要を反映して19万トンを上回るものと見込まれ、 2002年の総輸出量は対前年比3%増の72万6千トンと予想されている。
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