◇絵でみる需給動向◇
さきごろ米国の食肉コンサルタントであるCattle Buyer Weekly(CBW社) は、1日当たりのと畜処理能力に基づく2001年米国における食肉パッカー のランキングの発表を行った。この調査は88年から毎年実施されており、今回 公表されたCBW社の調査(一部推計を含む)によると、上位企業の順位は、ほ ぼ前年と同様であったものの、企業買収や廃業などにより、順位が繰り上がっ たため、1日当たり処理能力が400〜500頭規模の3社が初めて30位以内に入った。
上位30社合計の工場数は、前年と変わらず58カ所であったものの、1日 当たりの(30社)合計と畜処理能力は、前年比0.9%増の131,955頭となった。 上位5社では、前年比3.7%増の102,600万頭となり、これは第2位のExcel社 が、Taylor Packing社を買収し、1工場増えたことで1日当たりの処理能力が前 年に比べ3,300頭増加し、28,100頭となったことによる。
パッカー上位3社の牛のと畜頭数シェアは、63.1%と前年に比べ1.5ポイント 上昇し、3年ぶりに増加した。最近5年間では98年の63.6%に次ぐ割合となって いる。これにFarmlandとSmithfieldの2社を加えた上位5社では、全体の76.5% となり、CBWが市場シェアの調査を始めて以来で最も高い数値となった。この うち、全と畜頭数の8割以上を占める去勢牛および未経産牛について見ると、 上位3社では前年を1.7ポイント上回る73.8%、また、上位5社では、3.7ポイン ト上回る88.7%といずれも史上最高を記録した。これは、Farmland社の成長が 目覚ましいこと、またSmithfield社の企業買収による牛肉への参入が大きく影 響している。2001年の肉牛と畜頭数は前年比2.5%減の3,533万5千頭と減少す る中で、大規模パッカーの寡占化傾向はさらに進展しているものと見られる。 ◇図:牛と畜頭数シェアの推移◇ 1日当たりの処理能力上位10位のランキング 資料 :「Cattle Buyers Weekly」
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